日本人女性シェフとしてアメリカ・オレゴン州ポートランドで活躍する田村なを子。現在、彼女はポートランドで自身のレストランを経営しており、まもなくオープンして8年を迎えるそうだ。
田村が「ポートランドは自然に恵まれていて、自分が住む地で育った食物を消費できることは身体にも環境にも重要なんです」と語るように、彼女の料理に使われる食材は地元の農家で作られたものばかり。健康への配慮をし、オーガニックなものを中心に使用している。
幼少期、保存料や添加物が多かった学校給食が身体に合わず、母親がPTAの仲間と共に学校へ自然食の導入を働きかけたことをきっかけに日本では当時珍しかったであろうオーガニック料理を提供するレストランをオープンさせた。母親のレストラン経営に携わってから20年の月日を経て07年にポートランドへ移り、「21世紀の子ども達に安全な食べ物と綺麗な地球を引継ぐ」という意志を継いで自身で自然食レストラン・Chef Naokoをスタートした。
提供されるメニューは、重箱に入ったお弁当形式のランチがメインだが、ビュッフェやケータリングも行っている。日本の美しい景色をアメリカにいながら楽しめることで人気の、都市公園ワシントン・パークにあるポートランド日本庭園でも田村のケータリングは好評を博している。「Kaiseki Dinner」(懐石ディナー)と称した特別なコースを味わえるイベントも開催しているそうだ。また現在、デルタ航空のポートランドから成田へのビジネスクラス直行便の機内食でも田村の和食を味わうことができるそうだ。
お店の場所はポートランド日本庭園と州立大学のそばに位置している。以前から小さいと言われていた店内を拡張するため、再デザインの計画も進行しており、ほぼ同時期に拡張工事を行うポートランド日本庭園の新しい建築物のデザインを担当する隅研吾が手掛ける予定となっている。日本の美しさと伝統のある文化をポートランドに広め続ける田村なを子。これからも地元に愛されるシェフとして活躍を続けるだろう。
※本記事は (引用元: http://www.chefnaoko.com/) に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。