KAWS、ユニクロ初のアーティスト・イン・レジデンスに就任。アートとLifeWearが交差する新章へ

2025.09.18
ユニクロが初めて設ける「アーティスト・イン・レジデンス」に、現代アートを代表するアーティストKAWSが就任しました。2025年秋冬に予定される初のコレクションを皮切りに、ファッションアートを横断する活動を展開し、同社の理念「LifeWear」に新たな視座を与えます。

©Shaniqwa Jarvis/Courtesy of UNIQLO

アートとファッションを架橋する新制度
ユニクロの「アーティスト・イン・レジデンス」は、アートを一過性のコラボレーションではなく、ブランドのDNAに組み込む初の制度。就任したKAWSは「新しい形でLifeWearを体現できることを楽しみにしている」と語り、自身のビジョンを日常の装いへと落とし込む意欲を示しました。単なる商品開発にとどまらず、未来のアーティスト発掘や世界各地でのアートイベント参画など、多角的な活動が計画されています。

アートが映す人間の在り方
ファーストリテイリング グローバル クリエイティブ プレジデント、ジョン・C・ジェイは「変化の激しい現代において、アートは人間のあり方を示すもの」と語ります。ユニクロが掲げる「LifeWear」は、日常生活に寄り添いながらも価値観を表現する存在。その理念とアートの融合は、これからのファッションの可能性を広げる実験でもあります。

KAWSとユニクロの軌跡
KAWSとユニクロの関係は2016年に始まりました。UTコレクションでは「KAWS × PEANUTS」「KAWS × SESAME STREET」「KAWS + Warhol」など数々のコラボレーションを展開し、世界的な話題を呼んできました。これまでの積み重ねが、今回の「アーティスト・イン・レジデンス」という制度的な新しい取り組みへとつながったのです。

グローバルに広がるArt For All
ユニクロはこれまでもMoMAニューヨーク近代美術館)、テート(ロンドン)、ルーヴル美術館(パリ)など、世界の主要美術館と提携し、「Art For All」を掲げてきました。KAWSが参画することで、この理念はさらに深化。今後は旗艦店や美術館でのイベント、国際的な展示を通じて、ファッションとアートが新しい公共性を帯びて発信されていくことが期待されます。


アートとファッションの境界を軽やかに横断し、日常に解き放つユニクロ。KAWSの就任は、ブランドが単なるコラボレーションを超えて「制度」としてアートを抱き込み、次世代へと継承する試みです。LifeWearとアートが交差するこの新章は、世界のファッションシーンにおいても注目すべき動向となるでしょう。



編集部
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