コンテンポラリーカルチャーの“オープンワールド”を旅する。神楽坂PAAMAでグループ展「OPEN WORLD」を開催

開催日:2025.07.12-08.02
2025.07.03
東京神楽坂にあるアートスペースPAAMA(パアマ)にて、グループ展「OPEN WORLD」が開催されます。展は、現代の創造領域を横断するコンテンポラリーカルチャーメディア「New Scale(ニュー・スケール)」がキュレーションを手がけ、4組のアーティストによる多様な表現を通じて、現代社会の複雑なレイヤーに光を当てる試みです。

PHOTO: Hirokazu Kobayashi/Courtesy of PAAMA / MAEDA DESIGN LLC.
参加アーティストは、Soft Baroque(ソフト・バロック)、Pierre Castignola(ピエール・カスティニョーラ)、Geray Mena(ジェレイ・メナ)、そして八木沢俊樹の4組。展覧会のタイトル「OPEN WORLD」は、ゲームにおける“オープンワールド”形式に着想を得ており、観客自身が物語の“主人公”となりながら、作品との出会いを通じて個々の視点から物語を紡ぐことを促します。

PHOTO: Hirokazu Kobayashi/Courtesy of PAAMA / MAEDA DESIGN LLC.

複層的な知覚と物語が交錯する4組の実践
展覧会では、それぞれ異なるアプローチを持つアーティストたちが、現代社会の知覚や制度、素材、記憶といった主題に挑みます。

・Soft Baroque(ソフト・バロック)
 スロベニア・リュブリャナを拠点に活動するニコラス・ガードナーとサーシャ・シュチュチンによるデュオ。家具の形態に微細な感覚の“ずれ”を仕込み、感覚の多層化を誘導。Balenciagaとのコラボなども手がけ、物質とデジタルの境界を探求した独自の造形が国際的に評価されています。

Courtesy of PAAMA / MAEDA DESIGN LLC.

・Pierre Castignola(ピエール・カスティニョーラ)
オランダ在住のデザイナー。日用品を媒介に、消費文化や知的財産制度を批評的に掘り下げるコンセプチュアルな作品を展開。代表作「Copytopia」では、特許保護を巡り、プラスチックのガーデンチェアを複数のパーツで再構成し、“模倣と創造”の境界に問いを投げかけます。

Courtesy of PAAMA / MAEDA DESIGN LLC.

・Geray Mena(ジェレイ・メナ)
スペイン出身のアーティスト。写真を中心に、絵画彫刻、衣料デザインなど幅広い表現を学び、写真を主軸に活動をする。家具職人としての経験を背景に、素材と構造への深い洞察を作品に反映させてきました。近年はAIや大判カメラなどの技術も取り入れながら、刹那的な瞬間と永遠性が同居するようなイメージを追求。写真というメディウムを通して、時間や記憶、知覚のあり方に静かに問いを投げかけています。

Courtesy of PAAMA / MAEDA DESIGN LLC.

・八木沢俊樹
陶芸・木工・3Dプリント・CGIなどを自在に横断し、素材とデジタルのあいだに新たな物語を生成するアーティスト。New Scaleの創設者としても知られ、国内外のブランドやアーティストとの協業を通じて、視覚文化の可能性を押し広げています。

Courtesy of PAAMA / MAEDA DESIGN LLC.

会場となるPAAMAは、アートディレクター・前田晃伸氏が手がける新たなスペース。横浜DeNAベイスターズのビジュアルディレクションや『ポパイ』のリニューアルなど、カルチャーに根ざした数々の仕事で知られる前田氏が、神楽坂にオープンさせた本スペースは、、日本人にお馴染みの美容技術、「パーマ」(和製英語)のように、自由自在に変化し、文化や領域の垣根を越えていくことを目指し、若手の作家を積極的に紹介しています。

Soft Baroque(ソフト・バロック) 作
PHOTO: Hirokazu Kobayashi/Courtesy of PAAMA / MAEDA DESIGN LLC.

Pierre Castignola(ピエール・カスティニョーラ) 作
PHOTO: Hirokazu Kobayashi/Courtesy of PAAMA / MAEDA DESIGN LLC.

その空間デザインを手がけたのは、sacaiやKiko Kostadinovの空間演出を担ってきた関祐介氏。都市と人、アートとデザインの間にある“ゆらぎ”を受け止める場として、PAAMAはアジア発の感性と共鳴する新たなカルチャー拠点となっています。

Geray Mena(ジェレイ・メナ) 作
PHOTO: Hirokazu Kobayashi/Courtesy of PAAMA / MAEDA DESIGN LLC.

八木沢俊樹 作
PHOTO: Hirokazu Kobayashi/Courtesy of PAAMA / MAEDA DESIGN LLC.


本展をキュレーションするNew Scaleは、アートやデザイン、音楽建築など、現代の創造領域における思考と感性の動向を記録・編集するプラットフォーム。多様な実践を丁寧にすくい取りながら、情報を体験へと変換することを目指しています。展覧会の開催やプロダクト制作を通じて、知覚や想像力の奥深くに届くインスピレーションの提供を試みてきました。「OPEN WORLD」は、まさにその姿勢を体現する展覧会。観客が作品と“出会い直す”ことで、視覚文化の未来に対する個々の問いが立ち上がる機会となるでしょう。



【イベント概要】
"OPEN WORLD”

開催日時:2025年7月12日(土) ~ 8月2日(土)
開催時間:13:00 - 18:00 ※休日:日、月、火
開催場所:PAAMA
東京都新宿区矢来町160-1 サクラハウス神楽坂矢来町1F-B



お問い合わせ:
PAAMA / MAEDA DESIGN LLC.
T. 03-6280-4408
W. mdllc.jp

編集部
  • グループ展「OPEN WORLD」
  • グループ展「OPEN WORLD」
  • Soft Baroque(ソフト・バロック)
  • Soft Baroque(ソフト・バロック) 作
  • Pierre Castignola(ピエール・カスティニョーラ)
  • Pierre Castignola(ピエール・カスティニョーラ) 作
  • Geray Mena(ジェレイ・メナ)
  • Geray Mena(ジェレイ・メナ) 作
  • 八木沢俊樹
  • 八木沢俊樹 作
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