今年で4回目の開催となった国内最大規模の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」も、この土・日でついに閉幕。8月1日に開幕し、75日間に渡り「情の時代」をキーワードにしたさまざな作品の展示やパフォーミングなどが、4つの会場にて行われてきました。一度は一部の作品の展示内容が変更・中止に至る事態が発生したものの、閉幕直前で全面再開。最後の最後まで目が離せない、今年話題を呼んだイベントの一つです。
初見のアーティストが多い私ですが、実際に足を運んでみて、純粋に印象に残った作品や取り組みについて紹介したいと思います。
今村洋平《tsurugi No.1》 2016年
今村洋平《peak 3601》2019年
2点の立体作品とその制作過程の記録によって構成された今村洋平さんの作品。この立体作品が、印刷技法のシルクスクリーンによって制作されたことに驚きました。《tsurugi》は、作家自身が登山した剣岳をモチーフに、山岳の地図の等高線に沿ってインクを重ねた作品。一方、《peak 3601》は、色彩の積層によって形成された作品で、タイトルの数字は刷った回数を表しています。3,601回も製版しては刷っていくという、聞いただけで気が遠くなるような作業工程によって生み出された立体作品は圧巻でした。
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今回新たな試みとして、来場者の相互的な学びの場の役割を果たす「アート・プレイグラウンド」が各会場に設置されており、情報をインプットするだけだはなく、アウトプットする場を設けたことは、とても素敵な取り組みの一つだと感じました。中でも、愛知芸術文化センター内の「話す」に焦点を当てたアートプレイランドが印象的でした。
同じアート展に足を運んでも、感じることや印象に残る作品は人ぞれぞれ。意見交換することで生まれる、自分では考えもしなかった着眼点や感情などを共有できるクリエイティブな試みは、今後も様々な展示会場で行われて欲しいです。
バルテレミ・トグォ《アフリカ:西欧のゴミ箱》2019年
名古屋市美術館に着いてまず目についたのが、会場周辺に多数設置されたカラフルなゴミ箱。やけにカラフルなゴミ箱だなと思ったら、これも作品の一つでした。宗主国から様々なことを押し付けられてきたアフリカという存在を表すべく、アフリカ54カ国の国旗がプリントされています。
下記にてご紹介する、四間道・円頓寺の『円頓寺デイリーライブ』の会場もそうですが、会場に入らなくとも作品が鑑賞できることは、アートに興味がない人でもアートに触れるきっかけになります。住民がアートに触れることを目的の一つとしているトリエンナーレでは、こういった展示方法を積極的に採用して欲しいなと思いました。
トモトシ
Dig Your Dreams.
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トモトシ《Dig Your Dreams.》2019年
会場の地面は、トヨタ自動車の企業ロゴの形のように掘り起こされ、発掘作業の動画とともに、その際に発掘された設定の土器やガラクタなどが展示されています。作者のトモトシさんが、作品制作に向け地域を調査していく上で、企業城下町である豊田市の町の中にトヨタ自動車関連のロゴマークや広告がほとんどないことに気づき、そこから着想を得たそう。
目には見えなくとも、町の歴史などを調べてみれば、豊田市とトヨタ自動車を切り離すことはできないとう事実を、コミカルに表現しており、面白おかしく鑑賞しながらも、今まで深く考えたことがなっかた企業と町の密接な繋がりに気づかされました。
『円頓寺デイリーライブ』
鷲尾友公《MISSING PIECE》2019年
円頓寺商店街「長久山円頓寺」の駐車場に設置された特設ステージにて、若手からベテランまで、様々なジャンルのアーティストの音楽ライブを、毎週木〜日曜日に開催していたのも見所一つでした(現在は全ての公演が終了)。ステージの背面には、鷲尾友公さんによる壁画が設置され、日常感溢れる商店街に現れた大きなアート作品として、存在感を放っていましました。
開催は今日・明日の残り2日間ですが、これから足を運ぶ予定の方は、是非思い切りアートに触れてみてください。4年後の開催時もどんな作品が展示されるのかとても楽しみです。
初見のアーティストが多い私ですが、実際に足を運んでみて、純粋に印象に残った作品や取り組みについて紹介したいと思います。
愛知芸術文化センター
今村洋平
tsurugi No.1
peak
tsurugi No.1
peak
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2点の立体作品とその制作過程の記録によって構成された今村洋平さんの作品。この立体作品が、印刷技法のシルクスクリーンによって制作されたことに驚きました。《tsurugi》は、作家自身が登山した剣岳をモチーフに、山岳の地図の等高線に沿ってインクを重ねた作品。一方、《peak 3601》は、色彩の積層によって形成された作品で、タイトルの数字は刷った回数を表しています。3,601回も製版しては刷っていくという、聞いただけで気が遠くなるような作業工程によって生み出された立体作品は圧巻でした。
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今回新たな試みとして、来場者の相互的な学びの場の役割を果たす「アート・プレイグラウンド」が各会場に設置されており、情報をインプットするだけだはなく、アウトプットする場を設けたことは、とても素敵な取り組みの一つだと感じました。中でも、愛知芸術文化センター内の「話す」に焦点を当てたアートプレイランドが印象的でした。
同じアート展に足を運んでも、感じることや印象に残る作品は人ぞれぞれ。意見交換することで生まれる、自分では考えもしなかった着眼点や感情などを共有できるクリエイティブな試みは、今後も様々な展示会場で行われて欲しいです。
名古屋市美術館
バルテレミ・トグォ
アフリカ:西欧のゴミ箱
アフリカ:西欧のゴミ箱
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名古屋市美術館に着いてまず目についたのが、会場周辺に多数設置されたカラフルなゴミ箱。やけにカラフルなゴミ箱だなと思ったら、これも作品の一つでした。宗主国から様々なことを押し付けられてきたアフリカという存在を表すべく、アフリカ54カ国の国旗がプリントされています。
下記にてご紹介する、四間道・円頓寺の『円頓寺デイリーライブ』の会場もそうですが、会場に入らなくとも作品が鑑賞できることは、アートに興味がない人でもアートに触れるきっかけになります。住民がアートに触れることを目的の一つとしているトリエンナーレでは、こういった展示方法を積極的に採用して欲しいなと思いました。
豊田市美術館・豊田市駅周辺
トモトシ
Dig Your Dreams.
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会場の地面は、トヨタ自動車の企業ロゴの形のように掘り起こされ、発掘作業の動画とともに、その際に発掘された設定の土器やガラクタなどが展示されています。作者のトモトシさんが、作品制作に向け地域を調査していく上で、企業城下町である豊田市の町の中にトヨタ自動車関連のロゴマークや広告がほとんどないことに気づき、そこから着想を得たそう。
目には見えなくとも、町の歴史などを調べてみれば、豊田市とトヨタ自動車を切り離すことはできないとう事実を、コミカルに表現しており、面白おかしく鑑賞しながらも、今まで深く考えたことがなっかた企業と町の密接な繋がりに気づかされました。
四間道・円頓寺
『円頓寺デイリーライブ』
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円頓寺商店街「長久山円頓寺」の駐車場に設置された特設ステージにて、若手からベテランまで、様々なジャンルのアーティストの音楽ライブを、毎週木〜日曜日に開催していたのも見所一つでした(現在は全ての公演が終了)。ステージの背面には、鷲尾友公さんによる壁画が設置され、日常感溢れる商店街に現れた大きなアート作品として、存在感を放っていましました。
開催は今日・明日の残り2日間ですが、これから足を運ぶ予定の方は、是非思い切りアートに触れてみてください。4年後の開催時もどんな作品が展示されるのかとても楽しみです。