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540万人の人口に対して330万のサウナがあるという、サウナ好きのフィンランド人。そもそもサウナの発祥は1500年ほど前のフィンランドにあるといわれ、国民の多くが自宅にプライベートサウナを持つ一方で、町にもさまざまな公共施設があります。本場のフィンランド式サウナを体験するべく、今、ヘルシンキで大人気の新サウナ施設に訪れることにしました。
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フィンランド湾に面する海岸沿いのエリア、ヘルネサーリ地区に2016年5月にオープンしたロウリュ(LÖYLY)は、公共サウナとレストランバーを併設したスポット。オープン以来、地元市民はもちろん観光客にも人気を博し、ヘルシンキの新名所となっています。
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まず目を惹くのがそのアーティスティックな建築。熱処理加工したマツを建築材に採用する、都市にいながらも木に囲まれるリラックス空間です。海風が吹くテラスも抜群に気持ちがいい!
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フィンランドでは全裸がサウナ入浴の基本ですが、この施設では水着の着用が必須。男女別の更衣室とシャワーもあるので、日本人も抵抗なく利用できるはずです。アルコールを提供するラウンジスペースにはストーブも完備されていて、飲んだり入ったりと自由に時間を過ごすことができます。
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©️LÖYLY
施設内にあるスモークサウナと薪ストーブ式サウナは、いずれも一度に20人程度が入室できる広さ。黙ってじっと汗を流している人もいれば、世間話を楽しむグループもいたりとさまざま。頃合いを見て、利用者同士コミュニケーションを取り合いながら、室内にある焼き石に水を掛けていくのですが…。
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室内に一気に充満する蒸気に、これが本場のサウナか!と感激を覚えながらも、サウナ慣れしていない体には度が過ぎる場合が。そんな時は我慢せずに退出し、ウォーターフロントのウッドデッキテラスで体を冷します。望めばそのまま海に飛び込むことも可能です。フィンランドの人達は、サウナで温めた体を海水に投じる行為を真冬(平均気温-5℃)もやるんだとか!取材に訪れた日もコートが必要なほどの冷え込みでしたが、サウナと海を往復する人の姿も多かったです。
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施設のレストランは、サウナ利用者以外も気軽に入ることができます。フィンランドの伝統的なサーモンスープや国内産ビーフを使用したハンバーガーを、海を眺めながら味わえますよ。とてもカジュアルで、ドリンク1杯から利用OK。
サウナの利用金はタオル、マット、シャワールームに備え付けのシャンプーとボディソープを含めて2時間19ユーロ。また、別料金で10人まで入室可能なプライベートサウナも完備しています。建築、設備、ロケーションはもちろんですが、老若男女問わずさまざまな人達が利用しているのもこの場所の魅力。サウナで国際交流を深めてみてはいかがでしょうか?
ロウリュ(LÖYLY)
http://www.loylyhelsinki.fi/en/front-page/
>>【連載】Fashion in Finland を見る