1/2より続く。
――本の総製作期間22年、具体的な製作は2年ということですが、特に見て欲しい部分はありますか?
今回はモデルとして、ファッションの部分をメインに伝えていきたいというのがありました。この1冊を手に取った時に「(梨花という人間を)こういう形でも表現できるんだ」と思ってもらえるよう新しい面にトライしたつもりです。
――撮り下ろし写真もありますが、撮影はいかがでしたか?
ニューヨークでは、『VOGUE』のカバー等を撮影しているカメラマン他全員現地で活躍されている外国人スタッフと撮影しました。というのも、純粋に1人のモデルとして撮影される環境に身を置きたかったからです。カバーカットも、私自身は素の状態に近いものを表紙に考えていたのですが、最終的に選ばれたのは100%モデルスイッチが入りきった写真でした。普段の雑誌の撮影などでは、私の素の部分を入れ込む形が多かったので、とても新鮮でしたね。
最後の撮影は“日常”をテーマに撮影したのですが、日常をありのままといっても、どうしても撮影のスイッチが入ってしまって、改めて撮影って難しいと思いました。
――歳を重ねてファッション観は変わりましたか?
好きなものは変わらないけれど、同じアイテムでも若いころと同じ着方はしないし、私ならではの“らしさ”を入れるようにしています。最近はボーダーにデニムとか、シンプルなものをベースに、パールを合わせるとか今の自分らしさを加えたスタイルが好きで、前髪が短くなったのもそういうことなのかな。
あとは年齢と共に、微妙な丈の具合を気にするようになったり、バランス感をより強く意識するようになってきたと思います。たくさんの服を着る中で、失敗もあったけれど、キレイに見せたいとか、かわいく見せたいとか思う気持ちや、貪欲さが強くなっているように思います。
――今後の展望は?
30代まではモデルとしてどうなりたいかということばかり考えていたから、それが活力にもなっていたし、だからこそがんばれるということもあった。40歳になった今は、“こういう女性になりたい”というのが少しずつ出て来て、そしたら余計忙しくなっちゃいました。好奇心がいっぱいで、すごく楽しいんです。
それから、50代になった時の理想像も出て来た。見た目もだけれど、“かっこよく”なりたいと思っています。例えば、ベリーショートにしたりして、色々つくろわずとも、自分の強みや自信、これまでの経験が自然とにじみ出るような女性になりたいですね。