アメリカ・オレゴン州の「ポートランド日本庭園」は、その敷地拡張と増設工事のため投資を募ってきたが、このほど15年9月から16年3月まで一時的に閉園し、工事を開始することを発表した。
「ポートランド日本庭園」は63年に開園して以来、長年にわたり愛され現在では年間35万人以上の来場者を誇る庭園だ。総面積は約22,000m2を誇り、伝統的な平庭、露地・茶室、渓流など5つの庭園様式を楽しむことができる。
9月から行われる庭園の拡張は世界的に著名な建築家である隈研吾氏が手掛けるとのことで、大きな注目を集めている。日本の伝統的なデザインに、北アメリカの太平洋岸北西部の精神を融合させたモダンなスタイルを実現することを狙いとし、LEED認証された建築物を3つと新しい庭園スペースを7箇所増築する予定だ。
今回の拡張にあたってのデザインは、神社の門をくぐると目の前に村の活き活きとした光景が飛び込んでくるような、日本の伝統的な門前町のイメージにならって行われた。メインの庭園のすぐ外には文化村と中庭も新たに増設されることとなっており、そこでは今後ワークショップやギャラリー、パフォーマンスが行われるとのことだ。
元来、日本庭園の技術を学ぶためには専門の書籍から学ぶか、日本語を学び日本に出向き伝統を継承するしかないと考えられてきたが、今回の「ポートランド日本庭園」の拡張や投資計画には、その技術をどんな人でも学べるようにと、新たにオープンする学会の発展も大きな目的となっており、次の世代に日本庭園や文化をもっと身近な存在として親しんでほしいという願いが込められている。
アメリカ国内にこのような本格的な日本庭園があることにまず驚くが、さらに日本の庭園と遜色ないクオリティにまで昇華させていることにも大きな驚きがあった。一度は訪れてみたいものだ。
※本記事は (引用元: http://culturalcrossing.com ) の許諾を受け、翻訳・執筆を行っております。