パリの下町、11区にある大きな倉庫を借り切って2016春夏メンズコレクションのショーを行ったドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)。
コレクションのタイトルは「ダダ ダンディ」。シュールレアリストのサルヴァドール・ダリと、女優のマリリン・モンローとの架空の対話をイメージ。エルザ・スキャパレリ、エルヴィス・プレスリー、ジョン・ライドンなどのアーティストたちを象徴するエレメントも散りばめている。
クチュリエール、エルザ・スキャパレリの記号ともいえるロブスターの刺繍はジャケットの見頃を彩り、エルヴィス・プレスリーをイメージさせるハワイアンモチーフはパンツやシャツとなり、セックス・ピストルズのヴォーカリストだったジョン・ライドンを思わせるタータンチェックがパンツやジャケットを飾る。
それらのモチーフに呼応するがごとく、B-52’Sの「Rock lobster」やプレスリーの「Love me tender」、ジョン・ライドンの後年のバンド、P.I.Lの曲がBGMとして使用された。アメリカンカジュアルなアイテムはマリリン・モンローのダークサイドとミックスされて独特の美しさを見せ、希代のアイコンたちの新しい側面を引き出しながら、ドリスらしいエレガンスを表現し切っていた。