建築家のアントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)は1852年6月25日生まれ。スペイン・カタルーニャ出身。1926年6月10日逝去。
1873年から77年まで、バルセロナで建築を学びながら建築設計事務所で経験を積む。78年に建築士の資格を取得し、同年パリ万国博覧会に出展した「クメーリャ手袋店」のショーケースのデザインで、富豪エウセビオ・グエルに才能を見初められる。グエルはその後約40年間パトロンとしてガウディを支援し、多くの建築物を依頼した。
曲線と、植物・動物・怪物・人間などの装飾を多用したデザインで知られ、多くの建築家や芸術家に影響を与えた。コロニア・グエル教会地下聖堂は、彼の自然讃美が最も顕著に現れた最高傑作であり、傾斜した柱や壁、荒削りの石、光と影の目くるめく色彩により洞窟のような空間に仕上がっている。
83年、サグラダ・ファミリアの主任建築家に任命され、以後この建築の設計に40年以上を費やし、1917年からは他のいっさいの仕事を断って専念した。26年6月10日、路面電車に轢かれたことが原因となり74歳で死去。遺体はサグラダ・ファミリアに埋葬された。史上最も革命的な建築家とされ、グエル公園、カサ・ミラをはじめとした作品群は84年ユネスコの世界遺産に登録されている。
7月12日から9月7日まで六本木・森アーツセンターギャラリーにて開催される「特別展 ガウディ×井上雄彦―シンクロする創造の源泉―」では、ガウディ偉業を振り返る貴重な資料約110点が展示される。