「イセタン」ブランドとして今回東海初出店となる「イセタンハウス(ISETAN HAUS)」。その核となる婦人服は「地元名古屋の高感度なファッショニスタは新宿店での購買頻度が高い」という同社の顧客データから、新宿本店の旬のブランドを中心にセレクトされた。
1階の高感度モードゾーンは、エントランスに銀座、青山に次ぐ規模となるモンクレール(MONCLER)が路面店として出店し、大名古屋ビルヂングのファサードの一面を提案。オープニングはゴリラのVPが出迎える。
モンクレールに向かい合うイベントゾーンと、バッグ、シューズ、ストール、帽子を集積したレディスグッズのゾーンは同店のアートディレクター、名和晃平のモチーフで柱周りが統一された。オープニング時のイベントゾーンではジョン・ガリアーノ(John Galliano)がメゾン マルジェラ(Maison Margiela)で手掛けた初のバッグ「5AC」がフューチャーされている。
インターナショナルデザイナーズは、アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)が東京以外では初のメンズレディス複合店舗を出店。売り場にはNY店でのショップアイコンでもある黒いケージの什器が日本で初めて導入された。同様に、マルニ(MARNI)も通路を挟んでレディスとメンズを展開。話題のベルクロスニーカーも並ぶ。
またミラノのエミリオ プッチ(EMILIO PICCI)、パリのカルヴェン(CARVEN)、ニューヨークの3.1フィリップ リム(3.1Phillip Lim)が各都市のコレクション代表という趣で壁面に並んだ。
伊勢丹の自主編集ゾーンの「リ・スタイル」はオン、オフ、パーソナルの3つのテーマで構成。新宿本店のリ・スタイルをベースに「リ・スタイルプラス」、銀座三越の自主編集ゾーン「フォース・オブ・ギンザ」でそのシーズン注目度の高い、旬のブランド、アイテムをセレクトして展開される。パーソナルのスペースでは九谷焼の上出長右衛門窯の作品が展示され、ゆったりとしたサロンスペースも設けられている。
オープン限定アイテムとしては、アカネウツノミヤ(AKANE UTSUNOMIYA)、アキラナカ(AKIRA NAKA)、ルール ロジェット(leur logette)ら、日本人デザイナーによる1点モノ、リ・スタイルのPBルーガ(LUGHA)からはリントンツィードにパールをあしらったジャケットが東京・名古屋限定で販売される。また、リ・スタイル20周年を記念して、展開ブランドとコラボしたブラックドレスもラインアップされる。
それ以外にはロシャス(ROCHAS)、ジャイルズ(GILES)、オランピア ルタン(Olympia Le-Tan)、アクネストゥディオス(Acne Studios)、マメ(mame)、リエ(RHIE)、トーガ(TOGA)、ハイク(HYKE)、シャルル・アナスタス(Charles Anastase)、MSGM、アーデム(ERDEM)、ジュリアン デイビッド(Julien Daivid)、メゾンキツネ(MAISON KITSUNE)、クリストファー・ケイン(Christopher Kane)など、国内、海外のデザイナーがオープン時には展開される。
2階はフロア全体の「心と体の充足」というテーマに沿って、「レディ フォア ザ ウイークエンド(Ready for the Weekend=RFW)」を新宿店からさらにライフスタイルを強く打ち出した。新宿店ではカウンターだけのジュースバー「スカイハイ(Sky High)」にテーブル席も含めたイートインスペースを設けて、ボウルメニューやサラダを展開。隣接してサンフードのスーパーフードの売り場も設けられ、婦人服フロアにジュースバー、フードを挟んで、RFWの子供服も導入され、ファミリー層に向けて新しい魅力を提案している。
展開ブランドは新宿店で展開されている構成に一部、リ・スタイルTOKYOのブランドも追加され、ビューティフルピープル(beautiful people)、レキサミ(REKISAMI)、ミュベール(MUVEIL)、ミューラー・バイ・ヨシオクボ(muller of yoshiokubo)、タロウホリウチ(TARO HORIUCH)ブルーバードブルーバード(BLUEBIRD BOULEVARD)、コーヘン(Coohem)、カオン(KAON)などの国内ブランドに、フランク&アイリーン(Frank&Eileen)、ジェームス パース(JAMES PERSE)、アディダス バイステラマッカートニー(adidas by Stella McCartney )などのインポートブランドをミックスした構成。
1階のリ・スタイル同様に、RFWの奥のコーナーにはソファを設置したユーティリティスペースをウインドー脇に設置。隣接してマクミラン/イセタン、ブラックウォッチ/イセタンのチェック柄を多彩な雑貨で展開する「イセタンタータン」を全国で初めて常設コーナーとして出店。雑貨を配置することで、女性がフロアで買い物している間、男性が滞在しやすい環境などにも配慮されており、百貨店の課題とされていたさまざまな課題に対してフロア全体で新しい試みが図られている。
Text:野田達哉