伊勢丹新宿店は12月23日まで「伊勢丹限定のおせち」の予約販売をしている。10月初旬の予約開始日には、開店待ちをする人の姿も見られ、現在前年比104%と好調な滑り出しを切った。予約が取りにくい店として有名な創作和食「賛否両論」、間光男シェフが手掛けるフランス料理の「TERAKOYA」や江戸前寿司の職人技が光る「鮨青木」のおせちは、初日に完売した。
今回も東京や京都や北陸などの料亭・名店による特選おせち、上海、北京、広東、四川など多彩な名菜がお重をにぎわす中華おせち、フランス料理やイタリア料理の名店シェフが手掛ける創作おせち、一流ホテルのおせち、2・3人でいただくミニサイズのおせちなど、バラエティ豊かなラインナップで展開。平均単価は、3万5,000円程度となっている。
今年のおせち選びの傾向は、正月だからこそ世代で囲むためのおせちを選ぶ人が増える一方、都内で過ごす年配夫婦や若い夫婦向けのミニサイズのおせちは変わらずの人気だという。
平均的な価格帯(3万円台)で注目を集めているのは、箱根芦ノ湖畔にある本格リゾート「山のホテル」(3万4,650円)や、現代の名工を受賞した澤村収二が総料理長として指揮を執る「クラウンプラザホテル広島」(3万4,650円)。いずれも和洋中と三つの味が楽しめるとファミリー層に人気が高い。さらに日本の中華料理界をリードする脇屋友詞による「Wakiya 一笑美茶樓(いちえみちゃろう)」(3万9,900円)の中華おせちも好調だ。
さらに例年以上に10万円を超える高額おせちが好評。二重チタンの六段重に詰められた銀座の「六雁(むつかり)」(12万6,000円から)を始め、美食家だった小説家・池波正太郎も愛した滋賀の名料亭「招福楼」(10万5,000円)や140年の歴史を紡ぐ京都「和久傳」(15万7,500円)にも人気が集まっている。特に高額おせちは、お正月を別荘で過ごす人たちからの需要が高いという。