写真雑誌『イマ(IMA)』を手掛けるIMAメディアプロジェクトは3月15日、写真に特化したギャラリー・物販、カフェを併設したショップ「イマコンセプトストア(IMA CONCEPT STORE)」を東京・六本木のAXISビル3階にオープンする。開業に先駆け、内容が公開された
ショップテーマは同プロジェクトと同じく「LIVING WITH PHOTOGRAPHY(写真と共に生活する)」。店内に展示される写真の周辺には作品の雰囲気にマッチしたチェアや棚、デスク、観葉植物が置かれ、インテリアでも作品の世界観を表現する。これらのインテリア作品はすべて購入可能。ショップの空間プロデュースは谷川じゅんじ主宰のJTQが手掛け、設計・デザインは名和晃平率いるSANDWICHが担当した。
エントランスには、田中義久と飯田竜太によるIMA編集部注目のアーティストユニット「ネルホル(NERHOL)」が手掛けた、巨大な男性のポートレート作品を展示。
国内流通の少ない海外レーベルの貴重な写真集を含む2,000冊を取り扱うブックストア「IMA Books」には、写真集について様々な角度から解説してくれるブックコーディネーターの永井雅也が常駐している。オススメを聞くと、2000年にターナー賞を受賞したドイツ出身の写真家ヴォルフガング・ティルマンスと、南アフリカが抱える人種問題を突き詰める作風で知られるピーター・ヒューゴとのこと。
ショップ奥に進むと、アート写真を展示・販売する「IMA Gallery」がある。この空間には4月20日まで、『IMA』でこれまで特集された写真家を含む計12人の作品が展示されている。膨大な数の写真を手作業でコラージュして作られた西野壮平の「i-Land」や、ルーク・ステファンソンのまるで絵画のように見える9種類の鳥の作品集など、アートと写真が融合した新世代の作品が一同に集結。このギャラリーに展示される作品は1ヶ月半ごとに変わり、手頃な価格帯の作品も取りそろえている。次回展示が予定されているのは、昨年芸術選奨新人賞受賞を受賞した川内倫子の作品だ。
入り口を背にして左奥には、「オブスキュラ コーヒー ロースターズ」監修のコーヒーやマフィンなどが味わえる「IMA Cafe」がオープン。カフェ中央部には、2013年度の木村伊兵衛写真賞を受賞し、同性婚を写真で訴えるプロジェクトを手掛ける森栄喜の作品を展示している。
3月17日から連日のようにトークショーやワークショップを開催予定で、ゲストとして蜷川実花、いとうせいこう、大宮エリーなど様々な分野の著名人も登場する。『IMA』エディトリアルディレクターの太田睦子氏は「ギャラリーで紹介していく作家は、今後注目の若手がメイン。広々とした店内を活かして、作品展示だけでなく様々なイベントを開催していきたい」と語る。