サカイ(sacai)が1月21日、2017-18年秋冬メンズコレクション&2017年プレオータムウィメンズコレクションをパリで発表した。会場はパリ19区に位置するアートスペース104。バラバラにしたものを組み直すという、小説家のウィリアム・S・バロウズ(William Seward Burroughs)が発展させた詩的コラージュの手法「カット・アップ」に着目し、服に置き換えて一つのコレクションに構成している。
今までにコーディネートされてこなかった服同士を組み合わせたり、整合性の無いディテールを配したり。実験的な姿勢を見せたが、それが新しい美しさを生み出していた。レザー製のコートの襟が付いた千鳥格子のブルゾンや、ブレードを飾ったジージャンなど、一つのアイテムの中でディテールで遊んだものの他に、アランニットと無地のニットを組み合わせたトップスやニットのダウンジャケットなど、服の構造で遊んだものなど、局所的・大局的に変化を加えている。
しかし、そういった試みはさりげなく施されているため、大きな違和感を覚えず、小さな変化の積み重ねが見ていて非常に心地良い。1枚の布を巻きつけて固定した斬新なポンチョや、サカイ初となるザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)とコラボレーションしたMA-1ジャケットやロングジャケットなど、目新しいアイテムも登場し、見所の多いコレクションとなっていた。