マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)とピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)手掛ける「ヴァレンティノ(VALENTINO)」が、パリファッションウィークにて1月21日、15-16AWメンズコレクションを発表した。
着想の出発点は、1920年代に独創的に溢れた実験的芸術を追及したバレエ団「バレエ・リュス(Ballets Russes)」。その象徴としてヴァレンティノが結び付けたのは、同メゾンが誇るクチュールのサヴォアフェール、そして本質的価値の追求。
サヴォアフェールを表現する上で重要なメンズワードローブの基本となるアイテム、ロングコートやスリムフィットジャケット、シガレットパンツなどには実用性をブレンド。ダブルカシミアで仕立てられたコートの前開きにはジッパーを用い、ニットやケープにはオーバーサイズのポケットを取り付けた。これらを飾る足元はレースアップシューズでシックにも、バンドを組み合わせたヌードカラースニーカーで軽やかにもスタイリング提案がされている。
パッチワーク、プリント、インターシャで表現された、今シーズンの特徴であるラディカルな幾何学モチーフは、オーストラリア人アーティスト、エスター・スチュアートとコラボレーションしたもの。ブルー、グレー、グリーン、レッド、ライトブルー、ペールイエロー、バーガンディーなどコントラスト溢れるカラーコンビネーションは60年代の未来派やキュビズムに通ずる。また、彼女から受けた影響はモチーフだけに止まらず、シルエットの枠組み、構造などコレクション全体にも反映されている。