NY発のアジアンデザイナーが巻き起こす新しい流れ
同様に日本からの影響を話すのはNYをベースにブランドを展開するゼイニューヨーク(They New York)。NYでデザインとマーケティングを学んだアンジェラ&ジャック・リン兄妹(Angela and Jack Lin)のスニーカーはミニマムデザイン。その影響は「無印良品の原研哉と建築家の安藤忠雄」とジャックは話し、自社サイトは日本語でも表示される。
「実家は30年以上続く台中にある靴工場で、100%日本のブランドのOEM。父も祖父も日本語を話し、横浜に住んでいたこともある。これまで自社ブランドは手掛けたことがなかったが、バウハウスや日本の近代グラフィックや建築をコンセプトデザインに自分たちの思いを表現することを考えた。生産はすべて台湾の家族の工場。靴のシルエット内に縫い目のない熟練した職人による製法が特徴」と話す。
また、ミニマルで未来的なデザインを特徴とするアブセンス(ABCENSE)もYoyo PanとJhuosan Wang男女二人の台湾人のデュオブランド。さらに、スニーカーブランド、iRiは韓国人デザイナーのジャネット・ヤン(Janet Yeung)とラティフ・ナワブ(Lagtif Nawab)の男女デュオブランドと、アジアのデザイナーたちが昔からの技法とハイテクをハイブリッドさせて生み出す靴は、新しいマーケットを生み出しつつある。
いずれも自分たちのHPからのオンラインでの販売を中心に人気が広がり、日本からのオーダーも増えつつあるという。イリ(iRi)はジジ・ハディドやケラーニなどが履いていることで話題となり、NYをベースにネオプレーン素材を使ったグラフィカルなカラー、大胆なシャークソール、幾何学的なヒールとデザインの視認性が高いことも人気の理由だ。
さらにオブジェ風のヒールが特徴のイスラエルのコービ・レヴィ(KOBI LEVI)、とフランスのドンドックス・パリ(DONDOKS PARIS)、イタリアのグッドバイブス(GOOD VIBES)とマダム・コセッテ(MADAME COSETTE)、英国のメラ・ヴォディアノーヴァ(MERAH VODIANOVA)、ベルギーのWHF(WEBERHODELFEDER:ウェーバーホーデルフェデラー)が選出され、イタリアだけはなくグローバルな視点で、未来に向けたシューズデザインに積極的にスペースを提供する新しいMICAMの姿勢を訴求した。