ミュウミュウのレイヤード美学【2018春夏ウィメンズ】

2017.10.11


ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)によるミュウミュウ(MIU MIU)は、パリのイエナ宮(経済社会環境会議場)で、2018年春夏ウィメンズコレクションショーを開催した。ロックが鳴り響く中、60年代を彷彿とさせるアメリカンレトロな雰囲気のモデルが登場。

ただ、一見レトロであるだけで、ジャケットやノースリーブのシャツはオーバーサイズでモダンな仕上がり。ジャケットにはボタンで脱着可能な布帛の付け衿が、シャツにはかすれた色合いのレザーの付け衿が付く。合わせられたのが、ワンタックのショーツや、ゆったりしたシルエットのクロップドパンツレースのシースルーブラウスや、ナイロンのシースルーブラウスにはタンクトップをインナーに合わせて抑制された透け感を演出。

レイヤードも特徴的で、シャツとニットの上からレースのシースルードレスを重ねたり、レトロなチェックのシャツにはレースのシースルーのドレスを合わせ、さらにかすれた色合いのレザーのコートを重ねている。まるでビニール製テーブルクロスのようなモチーフのレザーコートも目を引いた。

ギピュールレースのドレス、インナーのチェックを浮き出たせるかのようなモスリンのシースルードレス、あるいはフローラルプリントのシースルードレスにもインナーにタンクトップをコーディネート。反対にナイロンのシースルーシャツには刺繍を施したノースリーブドレスを合わせるが、依然として透け感は抑制されている。セクシーに装うためのシースルーでは決してなく、自分のために透ける服を着用する、そんな強い意志を感じさせる。しかし、それがミュウミュウらしさでもあるのだ。
Tomoaki Shimizu
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