ヴァレンティノ、パラレルワールドから自由なファンタジーへ【2018春夏ウィメンズ】

2017.10.02

ピエールパオロ・ピッチョーリPierpaolo Piccioli)によるヴァレンティノ(VALENTINO)は、パリ17区のカルノー高校の体育館を会場に2018春夏ウィメンズコレクションショーを開催した。

ヴァレンティノを全身にまとった顧客たちが大挙して押し寄せ、全世界のハイソサエティーでの圧倒的な認知度を見せ、またヴァレンティノ・ガラヴァーニ(Valentino Garavani)と、ヴァレンティノ社創立時から社長職を歴任したジャンカルロ・ジアメッティ(Giancarlo Giammetti)も来場して、その期待の高さを伺わせた。

ピッチョーリはルネッサンス期の人、ルドヴィーコ・アリオスト(Ludovico Ariosto)の代表作『狂えるオルランド』の第34歌「汝は月で見つけるだろう、この地球で失ったあらゆるものを」という一節を引用。月は光り輝くミステリアスな惑星だが、地球の美しさを見出すことのできる場所でもある、つまりは月を目的地のひとつとして捉えるジャンル、一方で異なる視点から新たに発見するジャンルとし、その両面性を指摘。ノーマルなものが想像豊かなものとなり、フォルムや色が実用性を失うことなく驚きを与える、と唱えていることから、装飾的な側面と実用的な側面の両者のバランスを考慮したアイテムが多く見られた。

オールインワンや大きなポケットを配したトレンチ、Gジャンなどのワークウエアは、リアルクローズでありながら、洗練された色とフォルムによってハイファッションになり得ることを証明。ロングドレスもタンクトップを重ねたものだったり、ミニドレスのインナーにデニムのショーツを合わせたり。そうすることで、限りなくモダンな仕上がりを見せている。結果、クチュールブランドの伝統を保ちながらも、ウルトラコンテンポラリーなアイテムを続け様に登場させて若々しさを印象付け、グレイス・ジョーンズ(Grace Jones)の『La vie en rose』が鳴り響く圧巻のフィナーレまで、息つく暇を与えない力強いコレクションとなった。
Tomoaki Shimizu
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