2014年に改築120周年を迎える道後温泉の大還暦を記念し、道後の街を舞台にしたアートフェスティバル「道後オンセナート2014(DOGO ONSENART)」が開催される。2013年12月24日にプレオープンし、2014年4月10日グランドオープン、12月31日にフィナーレを迎える。
本イベントでは、日本書紀にも登場する国内最古の温泉である「道後温泉」に新進気鋭のアーティスト達が集結し、様々なアートプログラムを実施。ホテルや旅館を中心に、道後の街全体に体験型アートが出現する。アートディレクションと運営は、地元のクリエーター達が担当。総合プロデュースはスパイラル/ワコールアートセンター。
メインプログラムの一つとして注目されている「ホテル ホリゾンタル(HOTEL HORIZONTAL)」は、道後地区の10のホテル・旅館の客室を作品化し、実際に宿泊できるという企画。各アーティストごとに担当する部屋を決め、宿泊可能なインスタレーションとして表現される。
その中でも5軒は、プレオープンに合わせて先行オープン。荒木経惟を迎えたホテル古湧園では「楽園」をコンセプトに、16畳を超える和室の部屋を区切る4枚の襖に「緊縛」写真を配置。日本家屋と和服女性の妖艶な美しさが呼応する空間を演出する。
宝荘ホテルは草間彌生ワールド。草間の「わが魂の記憶。そしてさまざまな幸福を求めて」の他、アーカイブ作品から新作までが一堂に会す。また、花ゆづきでは「ロ」と名付けられた、皆川明の作品が登場。自身のブランド、「ミナ ペルホネン(mina perhonen)」のアイコン的テキスタイル「choucho」のファブリックボードと、森の生き物が集まるような木が描かれる障子などで部屋が彩られる。
愛媛県出身でファブリックブランド「マリメッコ(marimekko)」の元テキスタイルデザイナーの石本藤雄は、茶玻瑠で「Suuri Taiga/大草原」と題したオリジナルルームをプロデュース。詩人・谷川俊太郎は道後館にて、「谷川俊太郎の仕事机」をコンセプトに、同氏の愛用品などから構成される作品「はなのいえ」を展示する。その他の参加宿泊施設「道後やや」「ふなや」「道後プリンスホテル」「ホテル ルナパーク」「山の手ホテル」の企画内容は後日発表予定。
他にもプレオープンを記念し、アーティスト平野治朗による市民参加型イベント「GINGA」や、月岡彩による架空の旅行代理店プロジェクト「ツッキーツアース」などが予定されている。
4月10日のグランドオープンでは、ライゾマティクスと、霧をモチーフにした作品で知られる中谷芙二子が道後温泉本館をアート作品として表現する。
また、イベントのユニフォームデザインを愛媛県出身のデザイナー矢内原充志が担当し、グランドオープンより部分的に利用が開始されるという。
【イベント情報】
道後オンセナート2014
会場:道後温泉およびその周辺エリア
会期:プレオープン/2013年12月24日
グランドオープン/2014年4月10日
フィナーレ/2014年12月31日