来シーズンの“a la mode”は何か。14-15AWパリコレクションを振り返り、歴史的背景も踏まえ次にやってくるトレンドを読み解く。3回目はリアルを凌駕しつつあるフェイク素材。
フェイクの始まりはプリントにあった。捕獲禁止になった豹やシマウマなどのゴージャスな模様は、布地にプリントされおしゃれなマダムのマスト・ハブアイテムになっていった。同時にフェイクファーも登場した。
80年代にはぬいぐるみに使うようなチープなフェイクファーが、シックだった。当然フェイクファーは安価だということで重宝される場面もあったが、近年ベジタリアンや動物愛護の観点から、むしろフェイクファーやフェイクレザーを多用しようという気運も起こり、フェイク素材の開発が格段に上がってきた。
本物志向を貫きリアルファーやレザーにこだわるよりも、フェイクを混在させていくのが環境にもモードの活性化にも時流にかなっているようだ。リアルを追求するために開発されたフェイクの方が、高額になるという逆転劇が起きているのも事実だ。新しい時代を見据えたラグジュアリー観が進化しているのだろう。14-15AWは、リアルを越えるフェイク素材を使用したミックス感覚が確実におしゃれといえるようだ。
詳細は写真キャプションに付記。写真は順に
「ジュンヤワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARCONS)」
「ランバン(LANVIN)」
「ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)」
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」
「クロエ(Chloe)」
「サンローラン(SAINT LAURENT)」
「ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(GIVENCHY BY RICCARDO TISCH)」
次はシルエット。