フリーダ・ジャンニーニの新しいコンセプトによるフラッグシップショップとなった、グッチ青山が5月30日にリニューアルオープンした。前日には、伊勢谷友介、武井咲、中田英寿などのセレブリティが招かれ、華やかにレセプションが開催された。そのレセプションの中でも一際目を引いたのが、今回のリニューアルのトピックスとして注目を集めていた、ラポ・エルカーン(Lapo Elkann)の存在だった。
グッチ青山の2階には、フリーダとラポのコラボレーションによる“メイド・トゥ・メジャー”のカプセルコレクション「ラポ ズ ワードローブ(Lapo’s Wardrobe)」のコーナーが設けられた。コレクションはメンズが23体、ウィメンズが4体の構成ながら、80以上のファブリックに対してカラーと素材のバリエーションがそろい約180通りのスタイルが完成、しかもライニングやボタン、フィニッシングなどもカスタマイズできるプログラムだ。オーダーから約8週間で手元に届くシステムで、14SSメンズミラノコレクション期間中から世界主要6都市で展開が始まり、日本ではグッチ青山のリニューアルに合わせてお披露目となった。
ラポ・エルカーンは、イタリアのフィアット社の元会長の孫であり、世界中の男性誌にベストドレッサーとして取り上げられる洒落者だ。
「グッチとは2011年フィアット500のスペシャルコラボを仕掛けたのがきっかけで、付き合いが始まった。このコラボはフィアット500に新しい価値をもたらしたことになったんだ」とラポは言う。
彼は現在、家電メーカー・スメグ(smeg)社やコンシェルジュサービス付きの携帯電話「ヴァーチュ(VERTU)」など数多くのコラボレーションを手掛けると共に、ユニークなアイデアが満載されたオリジナルのアイウエア「イタリア インディペンデント」を率いる。「ベルベットを吹き付けたようなフレームや温度によって色が変わるフレームは、最近マサチューセッツ工科大学から賞をもらったばかりなんだ」とラポ。このアイウエアはレディー・ガガが愛用していることで知られている。
■女性を忘れない伊達男
フリーダとのコラボについて訊ねると「フリーダは大切な友人だ。しかも彼女はとてもプロフェッショナルで、彼女とそのチームとのコラボレーションは、イタリアのラグジュアリーな世界に革新をもたらしたと自負しているよ!」
Lapo’s Wardrobeを始めるにあたってラポは、グッチのファクトリーやフィレンツェにあるグッチ ミュゼオに11ヶ月間通い、ヘリテージをひもといたという。グッチの素晴らしいDNAに触れたラポは、自身のストーリーを重ね合わせると化学反応が起き新しいスタンダードとなるコレクションが誕生すると確信した。
コレクションにウィメンズを加えた理由とイメージとする女性について、「女性はいつもエレガントであって欲しいし、洗練された強さも必要だ。しかも美しさとセクシーさを兼ね備えた人。これは、メンズのイメージとも共通しているんだがね。グッチのアイコン、モナコ公国のプリンセスでグレース・ケリーの孫娘としても有名なシャルロット・カシラギは、Lapo’s Wardrobeのイメージにもぴったりの女性だ。いや、シャルロットだけじゃなく、私にとって女性は誰もがプリンセスだけどね(笑)」
アメリカ生まれとはいえ、フィアット社の血を受け継ぐシニョーレだけに、女性へのリスペクトは決して忘れないようだ。