作家のサン=テグジュペリは1900年6月29日生まれ。フランス・リヨン出身。44年7月31日逝去。
貴族出身の裕福な家庭に生まれ、ノートルダム・ド・サント・クロワ学院を経て、スイス・聖ヨハネ学院で文学にいそしむ。兵役で陸軍飛行連隊に所属し、軍用機操縦士となる。退役後は自動車販売業務に携わった後、民間航空会社に入社。
26歳の時、男女の恋愛を描いた『南方郵便機』で作家としてデビューし、飛行士の経験を基にした『南方郵便機』(29年)、『夜間飛行』(31年)で大きな成功を収めた。39年、第2次世界大戦で召集されて飛行教官を務め、偵察隊に配属される。部隊は多大な損害を受けたが、仏ヴィシー政権がドイツと講和。動員解除でフランス本土へ戻った後、アメリカへ亡命した。
43年、後の代表作となる『星の王子さま』がアメリカで出版された。その直後にフランスへ戻り、自ら志願し軍の飛行士として復帰。44年7月31日、フランス内陸部の写真偵察のため、ボルゴ飛行場から単機で出撃後、地中海上空で行方不明となる。
児童文学ながら、子供だけでなく大人にも響く示唆に富んだ言葉が散りばめられた『星の王子さま』は今でも世界中で愛されており、様々な関連イベントも各地で開催されている。東京スカイツリータウンのプラネタリウムでは9月7日まで、『星の王子さま』の「人間の大地」の一節を聞きながら、世界各地の夜空を眺めることができる上映会が実施されている。