築95年以上の歴史を持つ秋田県男鹿市の「森長旅館」は、2025年春にグランドオープンを迎えました。かつて約70年にわたり地域の旅人を迎え入れてきた伝統ある宿は、本館・離れ・土蔵の3棟すべてが国の有形文化財に登録されています。長い時を経た建物を舞台に、地域の歴史と文化を体感できる滞在を提案する「森長旅館」に、この夏、新たな魅力が加わりました。

Courtesy of Moricho Ryokan

歴史を継ぐ空間で、“ととのう”を体感する
旅館の象徴ともいえるのが、築100年以上の土蔵をリノベーションした「NAMOMI SAUNA KURA」です。サウナストーンには地元・男鹿の「金石（かないし）」を使用し、内装には青森ヒバを採用しています。セルフロウリュや、名水「滝の頭」を掛け流した木桶の水風呂など、自然と伝統を融合させた体験が楽しめます。

Courtesy of Moricho Ryokan
「なもみ」とは、囲炉裏のそばに長くいると肌に浮かぶ赤い模様のこと。その“なもみ”を剥ぎ取るとされる「男鹿のナマハゲ」の伝承と重ね、サウナの“あまみ”を「整い」として昇華しました。オリジナルのナマハゲをモチーフにしたサウナハットをかぶりながら味わう体験は、ここでしかできない特別なものです。

Courtesy of Moricho Ryokan

趣を残しながら快適に過ごせる客室
宿泊は、文化財ならではの趣を活かしながら快適に整えられた客室で過ごせます。特別室ツインはプライベートキッチンを備え、窓から庭園を望む贅沢な造り。スタンダードツインは広縁を持つ和室で、旅館らしい佇まいの中、四季折々の景色を楽しんでいただけます。

Courtesy of Moricho Ryokan

文化を未来へつなぐ、ファッション的感性の宿
「森長旅館」が提案するのは、ただの宿泊体験にとどまりません。古いものを美しく残しながら現代的にリノベートするという“編集的”な感性が息づいており、それはファッションにおけるモードの精神にも通じています。文化財の建物を舞台に、旅人がその土地の歴史と文化をまとうように過ごせるのです。

Courtesy of Moricho Ryokan

男鹿の自然と伝統、そして美意識を体現した「森長旅館」の蔵サウナ。夏の旅先に、ぜひ選んでみてはいかがでしょうか。