映画監督のベルナルド・ベルトルッチ(Bernardo Bertolucci)は1941年3月16日生まれ。イタリア出身。
高校時代より16mmの短編を製作し、ローマ大学では現代文学を専攻。ジャン=リュック・ゴダールなどフランスの監督に傾倒していたという。詩人の父の紹介で、パゾリーニ監督の助監督を務め、22歳の頃『殺し』(62年)で監督デビュー。同作はベネチア国際映画祭で高く評価され、世界的に知られるようになる。
初期作品は、戦後の欧州で隆盛だった“左翼”がテーマのものが多く、共産主義にシンパシーを抱きながらも、革命運動に身を投じるためのあと一歩が踏み出せないブルジョワ青年を描いた『革命前夜』(64年)が代表作である。また、『ラストタンゴ・イン・パリ』(72年)の大胆な性描写は「ポルノか芸術か」の論議を巻き起こした。
中国最後の皇帝”愛新覚羅溥儀(あいしんかくらふぎ)”を描いた『ラスト・エンペラー』(87年)では、アカデミー賞作品賞、監督賞など計9部門を受賞。同作と、『シェルタリング・スカイ』(90年)、『リトル・ブッダ』(93年)は東洋三部作と呼ばれている。
03年の『ドリーマーズ』発表後、重い病により引退さえ覚悟したものの、昨年10年ぶりに新作『孤独な天使たち』を発表し話題となった。