古代サムライの豊かで奥深い世界へ。ルイ・ヴィトンのウォッチメイキングアトリエが「タンブール ブシドウ·オートマタ」を発表

2025.05.08
ルイ·ヴィトンは、ハイウォッチメイキングのサヴォアフェール(匠の技)と卓越したメティエダール(芸術的な手仕事)の限界を押し広げ続ける、メゾンのウォッチメイキングアトリエ「ラ·ファブリク·デュ·タン ルイ·ヴィトン」が手掛けるクリエーションの第3弾となる新作ウォッチ「タンブール ブシドウ·オートマタ」を発表します。

©Ulysse Frechelin
先祖代々受け継がれる文化や芸術、職人技を讃え、ダイアルの上で機械式ムーブメントが描写する表情の変化を通して語られる「タンブール オートマタ」の物語は、2021年のヨーロッパにおいて、「タンブール カルペ·ディエム·オートマタ」と共にはじまりました。写実的なスカルとヘビのモチーフが印象的な21世紀を代表するこのオートマタタイムピースは、ヴァニタスの象徴性を的でありながら反逆的な解釈で表現した作品。権威あるジュネーブ時計グランプリにおいて「オーダシティ賞」を受賞した同作品に続いて、その2年後には、「タンブール オペラ·オートマタ」が発表されました。「ラ·ファブリク·デュ·タン ルイ·ヴィトン」が舞台を中国に移し、色とりどりの仮面が次々と瞬時に入れ替わる魅惑的な伝統芸能、四川オペラの「変面」にインスピレーションを得て創造した作品です。

©Piotr Stoklosa
そしてこのたび、メゾンは日──古代サムライの豊かで奥深い世界へと立ちます。名高い武士階級として近世以前の日本に生きたサムライたちは、強さや規律、忠誠、そして責務といった深く根付いた価値観を、武士道として知られる複雑な道徳規範を通じて体現する存在でした。サムライの生活様式の中核をなす武士道は、価値観や名誉だけでなく芸術表現にも深く根差し、何世紀にもわたって日本社会を形成してきました。この武士道の規範において重要なのが、サムライの鎧の大切な一部である面です。逆境の中で強さと勇気を伝えるためにデザインされた面は、表情の変化を通じて力強さと威圧感の両方を放つ一方で、美的かつ象徴的なステートメントを表現しています。

©Piotr Stoklosa

卓越した複雑機構
日本の芸術、文化、歴史に敬意を込め、「タンブール ブシドウ·オートマタ」は、武士道の精神を16秒間の想像力豊かなウォッチメイキングのショーを通して壮観に表現しています。手巻き式ムーブメント、キャリバーLV 525を搭載した本作品は、「ラ·ファブリク·デュ·タン」のインハウスメティエアトリエである「ラ·ファブリク·デ・ザール」が開発した最も卓越したメティエダール(芸術的な手仕事)によって、命が吹き込まれています。

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426の部品と2つの特許技術を備え、ムーブメントの組み立てに合計180時間を要するキャリバーLV 525は、受賞作品「タンブール カルペ·ディエム・オートマタ」に採用されているものと同じベースムーブメントです。「ラ·ファブリク·デュ·タン」のマスター·ウォッチメーカーのミシェル·ナバスとエンリコ·バルバシーニによって開発された「タンブール ブシドウ·オートマタ」は、ダイアルに組み込まれた5つのアニメーションがサムライの面に魅惑的な表情の変化をもたらし、オンデマンドで時刻を表示します。きらめく黄金色を背景に、無表情のサムライが静かに佇み、物語の舞台を整えます。ボタンを押すとオートマタ機構が作動し、象徴的で超自然的な生き物である妖怪が上昇して横に動くと、鎧の額に刻まれたジャンピングアワーが姿を現します。同時に、スリムな刀剣モチーフが滑るように移動してレトログラードミニッツを表示します。

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数秒後、アワーとミニッツの表示はそのままに、タンブールが繰り広げる魅惑的な機械式からくり人形ショーが続きます。サムライの無表情で自信に満ちた顔の面は力強さを増し、決意の表情が浮かびはじめます。穏やかな瞳が、決意と強さを秘めた厳しい目つきに変わります。複雑機構が魔法のように片方の目を動かし、モノグラム·フラワーからモノグラム·スターフラワーへと変形します。一方、顎部分にもサムライの力強さが捉えられています。顎が下がって口が開くと、手作業で作られたマザー·オブ·パールの歯の列の間から、日本語の文字で書かれた鮮やかな深紅の「武士道」というメッセージが現れ、その後、口が再び固く閉じられます。

©Ulysse Frechelin
ダイアルの背景にも、非常に豊かな装飾が施されています。9時位置に描かれた富士山の頂から浮かび上がる真っ赤な太陽は、その位置により、オートマタの100時間パワーリザーブの残量を示しています。



日本の芸術を讃えるプレシャスな逸品
この傑作ウォッチをさらに引き立てるのが、動きの中にシンボリズムと芸術性を融合させ、また、日本の豊かな歴史と文化にオマージュを奉げる魅惑的なダイアル。これまでのモデルと同様、「タンブール ブシドウ·オートマタ」は、「ラ·ファブリク·デ·ザール」がウォッチメイキング技術の限界を真に突破する機会となりました。特にエナメル装飾の分野では、エングレービングとエナメル加工という伝統的な技法を組み合わせることで、無限の可能性が探求され、革新的な新技術が開発されました。

©Piotr Stoklosa
ダイアルの各要素は、職人たちに自身の技術を駆使する真の実験と革新を促し、「タンブール ブシドウ·オートマタ」を精緻な表現のキャンバスへと変貌させました。その結果、ディテール、立体感、そして好奇心を掻き立てるダイアルが誕生し、同時にサムライの独特の感情とダイナミズムを捉えています。例えば、兜は頭部を保護するために使用される鎧の一部ですが、サムライ個々のアイデンティティと地位の象徴でもあります。このシンボリズムに命を与えたのが、マスター·エングレーバーのディック·スティーンマンと彼のチーム。まずローズゴールドの兜を彫金し、その後、カラミン技法を用いて高温で焼成。これにより、焦げたような仕上がりの薄い炭化物層が形成され、その後手作業による再加工を経て、下地の黄金色が輝きを放つように仕上げられます。

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こうした光と影の美しいコントラストは、サムライの顔面を保護する防具である面頬にも見られます。面頬もまた、強さと力を示す鎧兜の一部です。ホワイトゴールドを使用して浮き彫り技法で彫刻された面頬は、細部まで丁寧に作りこまれ、まるで本物のようなディテールと輪郭で表現されています。兜の中央に配された妖怪も、ローズゴールドで極めて精緻にエングレービングされています。ルビーの目を持つ超自然的な生き物は、彫刻師の手によってのみ生み出し得る立体感と遠近法によって、生命力と活力に満ち溢れています。

この他、紐の結び目、刀身と柄、そしてオートマタのプッシュボタン、クラウンにも精巧な彫刻が施されています。ケースバックもまた、生命力に満ち溢れ、光の戯れを捉えています。ダイアルの上で繰り広げられるストーリーに呼応する赤漆の妖怪は、ペルラージュ仕上げやコート·ド·ジュネーブ仕上げなどの伝統的なウォッチメイキングの装飾要素と並んで、高い技術を誇示しています。「タンブール ブシドウ·オートマタ」のダイアルとプッシュピース、クラウンのエングレービングには、合計140時間が費やされました。



新たな技法の物語
彫刻芸術と並行して進められたのが革新的なエナメル加工です。「ラ·ファブリク·デ·ザール」が新たな技術とイノベーションを大胆に試行錯誤し、最終的に約120時間に及ぶ作業を経て完成させました。職人たちは、「タンブール カルペ·ディエム·オートマタ」と「タンブール オペラ·オートマタ」で培ったノウハウを駆使し、自身の技術をさらに豊かに磨き上げるという難題に挑戦。鮮やかな色合いと立体感を維持したまま、極薄の面を実現するための超薄型加工技術の開発に成功しました。

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繊細なきらめきを放つ黄金色のダイアルの背景を例に取ると、パイヨンエナメル技法を用い、まず下地となるピンクのエナメル層に銀箔を貼り付け、その上に透明なエナメルを2層重ねることで、ダイアルに黄金感を演出。これにより、特に山のすそ野部分に繊細なディテールとカラーグラデーションが生まれています。最後に、フォンダンエナメルを薄く塗り広げ、光沢感のある輝く仕上がりを実現。

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富士山もクロワゾネエナメル技法により、金線で形成したデザインの輪郭の中に、雪を表現した白いエナメルカラーを何層も重ねていくことで、立体感が際立ち迫力溢れる姿に仕上がっています。面そのものも、数多くの芸術的手仕事とサヴォアフェール(匠の技)を融合させた傑作です。まずディック·スティーンマンが彫金した後に、最も扱いが難しい色の1つであるレッドのエナメルを2層にわたって施します。面の基盤となる彫刻的なデザインを強調しながら、エナメルの適切な色調と陰影を実現するためには、エナメル職人の長年の専門知識と経験が不可欠でした。その後、特殊な塗装エナメル層が施され、ほぼマットで洗練された、アンティークのような表情に仕上げられました。

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一方、面の目は、外側部分はクロワゾネエナメル、目の中央部分はパイヨンエナメルと細かい金片を組み合わせたデザインとなっています。最後にブルーエナメルを重ねることで、目に力強い輝きが宿り、豊かな感情が表現されています。サムライの首部分を守る目的で付けられる兜の部位の一部、しころは、モノグラム·フラワー モチーフが散りばめられ、ルイ·ヴィトンのコードを表現する要素となっています。漆黒と深紅のエナメルという特殊な組み合わせで仕上げられたこの技法と配色は、サムライの口の中にも反映されています。

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「タンブール ブシドウ·オートマタ」のダイアルは、どの要素も見過ごされることも、偶然に任されることなく、細部まで徹底的に追求されています。紐の結び目でさえも、まずはディック·スティーンマンのチームによって彫金された後に、エナメル加工をはじめとするミニアチュール·エナメル技術と複数の焼成工程を組み合わせた処理を施され、最終的にベルベットのような質感に仕上げられています。多層構造により立体感を出し、魅力的に仕上げられたダイアルは、「タンブール カルペ·ディエム·オートマタ」と「タンブール オペラ·オートマタ」で培ったメティエダール(芸術的な手仕事)の専門知識を基に、数百年にわたるウォッチメイキングの職人技とサヴォアフェール(匠の技)の限界を押し広げようとする「ラ·ファブリク·デ·ザール」の並外れた努力を物語っています。



ケースを囲む芸術作品
「ラ·ファブリク·デ·ザール」の最高峰の技術を体現し、ルイ·ヴィトンの冒険のエスプリをさらに捉えた「タンブール」のケースは、ルイ·ヴィトンのウォッチメイキング·コレクション史上初めて、ケースとベゼル共に全面的にエングレービングとエナメル加工が施されています。日本を旅するサムライや、富士山の向こうに沈むモノグラム·フラワー モチーフの真っ赤な太陽が描かれ、赤いエナメルの背景がケース全体を包み込みます。まず、ケースに数百もの小さな刻みを打ち込み、その後、半透明の赤いエナメルを塗布。高温で焼成する際にエナメルが細かい穴に入り込み、美しいグレイン効果が生まれます。割れのリスクを伴いながら、200時間の作業を要する工程です。

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この見事なシーンを取囲むのは、繊細なエングレービングが施されたピンクゴールドのベゼル。「LOUIS VUITTON」のアルファベットを優しく包み込むように刻まれた細かな筋と雲の模様が、光を受けてきらめきます。ダイアルを手掛けたのと同じエングレービング職人とエナメル職人の手によって生み出されるこのエクスクルーシブなベゼルは、1つとして同じものはありません。人の手だけが創り出すことのできる芸術的な繊細さとニュアンスを備えたこのベゼルが、「タンブール ブシドウ·オートマタ」の物語を完結させます。

このウォッチはまさに、ウォッチメイキングと美学における真の偉業を体現するマスターピース。想像力豊かで情感に満ちた、唯一無二のルイ·ヴィトンらしさが余すところなく表現されたこのクリエーションは、「タンブール オートマタ」の冒険を続けるメゾンの大胆さと果敢に挑む精神をよりいっそう際立たせます。


©LOUIS VUITTON

「タンブール ブシドウ·オートマタ」
W1PG31

ムーブメント
・キャリバーLV 525:ウォッチメイキングアトリエ「ラ·ファブリク·デュ·タン ルイ·ヴィトン」にて開発·組み立てられた手巻きの機械式ムーブメント
・5つの仕掛けを備えたオートマタ機構、ジャンピングアワー、レトログラード、ミニッツ針、パワーリザーブインディケーター
・部品数:426
・パワーリザーブ:100時間
・振動数:21,600回 / 時
・石数:50

ケース
・18Kピンクゴールド製のケースとラグ
・18Kピンクゴールド製の手彫りのリューズとプッシュボタン、プッシュボタンにはルビー2個をセット
・直径:46.8 mm
・厚み:14.4 mm
・反射防止加工済みドーム型サファイアクリスタルガラス
・防水:30 m

ダイアル
・パイヨン、クロワゾネ、ミニアチュールエナメルを用いた手作業によるエナメルダイアル
・ハンドエングレービング(面、兜、刀、妖怪、弓)
・ダイアルにルビー2個をセット

ストラップ
・レッドのカーフレザー

バックル
・18Kピンクゴールド製のダブルフォールディングバックル

ストーン
・4個のカボションカットのルビー(~0.02カラット)




https://youtu.be/83PjcY2kF7A



ルイ·ヴィトン
1854年の創業以来、ルイ·ヴィトンは、革新とスタイルを組み合わせた独自のデザインを常に最高級な品質で提供し続けています。現在もトラベルラゲージ、バッグ、アクセサリーなどの製品を通じて、クリエイティブでありながらエレガントで実用的である、創業者ルイ·ヴィトンが生み出した「旅の真髄(こころ)」の精神を忠実に受け継いでいます。ルイ·ヴィトンというストーリーを作り上げたのは「大胆さ」でした。伝統を重んじ、歴史の中で建築家アーティストデザイナーに門戸を開き、プレタポルテ、シューズ、アクセサリー、ウォッチ & ファインジュエリーフレグランスなどの分野を開拓してきたのです。これらの丁寧に製作された製品は、ルイ·ヴィトンがクラフツマンシップにいかにこだわりを持ってきたかという証となっています。


お問い合わせ:
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
TEL 0120-00-1854
www.louisvuitton.com


編集部
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