三陽商会はシェーン・ガビエ(Shane Gabier)とクリストファー・ピータース(Christopher Peters)が手掛けるNYブランド「クリーチャーズ・オブ・ザ・ウィンド(CREATURES OF THE WIND、以下COTW)」とのコラボレーションによるカプセルコレクション「クリーチャーズ・オブ・ザ・ウィンドプラスサンヨー(CREATURES OF THE WIND+SANYO)」のプレスプレビューを開催した。
三陽商会は5月11日に設立70周年を迎えることを機に、これからの方向性を社内外に示すことを目的とし、タグライン「タイムレス・ワーク(TIMELESS WORK.)ほんとうにいいものをつくろう」を策定。各ブランドがキャンペーンなどを行っている。今回のカプセルコレクションでは、その70周年スローガンを実現するラボ的取り組みとして、2011年のCFDA賞で準優勝しているCOTW、NYを拠点にトム・ブラウン、ジェイソン・ウーなどのパターンを作成する「大丸製作所2」の2組とコラボレーションした。
プレビューではNYの2組が来日し、2月に13-14AWニューヨークコレクションで発表した7型のカプセルコレクションと共にCOTWオリジナルコレクションを紹介。
カプセルコレクションは64年の三陽商会アーカイブからのスケッチや66年の「サンヨーコート」の広告デザインなどからインスパイアされたコートを提案。60年代のファッションが、COTWのデザインと大丸製作所2の立体的なパターンにより、現代にアップデートされている。
64年のスケッチにあるネクタイ付きのコートにインスパイアされたネクタイコートなど当時のディテールを取り入れつつも、ビンテージ感が出過ぎないようにバスト部分をスリムにしたりとシルエットにこだわった。メンズライクなものは袖を前に振り、レディライクなものは肩をソフトにしながら、タックをとってボリュームを出すなど袖や肩でも現代性や新しさを表現。日本製の生地を使い、すべて三陽商会グループの岩手サンヨーソーイングで縫製するなど日本のものづくりをリスペクトしていることもポイントだ。9月からニューヨークを始め世界主要都市で発売。日本ではインターナショナルギャラリービームスや伊勢丹新宿店リスタイルなどで販売される。
「日本の技術力の高さと品質の良さは世界のどこを探してもないものだ。今回の取り組みで幅が広がったことを嬉しく思っている。14SSシーズンの制作もスタートしていて、先日も三陽商会に紹介してもらった生地メーカーや工場を訪れた。岩手サンヨーソーイングや青森の工場も訪問する予定。秋冬は7型だったがもっとたくさんできれば」とCOTWの2人。
大丸製作所2の大丸隆平社長は「マスなブランドと若いデザイナーを組み合わせて低価格で提案するようなコラボレーションが多い中で、アンチテーゼとしてものづくりを通しておもしろいものを提案する第一弾。継続的にやっていくことで、いいものを作っていきたい」と話している。