マルニ(MARNI)の2018年春夏メンズコレクションが6月17日にミラノで発表された。デザイナーはフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)。
今年1月に発表された2017-18年秋冬シーズンから創業者デザイナーのコンスエロ・カスティリオーニから引き継いだリッソの初めての春夏コレクションは、前回のデジタルなピクセルワールドから一転して、アナログな世界。ショーのインビテーションカードもクラフト紙にプラスティックフィギュアだった。
“ロスト&ファウンド”がテーマとなった今シーズンのコレクションは、前シーズンの少年が成長し旅をしているストーリーか。ピンストライプのジャケットとネクタイも、ヘリンボーンのスーツもすべてが少しズレながら、ゆったりしたサイズでの提案。
シャツやニット、スーツ、バッグなどに象徴的にあしらわれたヨットのモチーフが1950-60年代のアメリカ西海岸のリラックスしたイメージを描き出すが、パッチワークのシャツやアーガイルニットも始末は不完全で、糸がほつれている。
日本の家紋をイメージする大柄の半袖シャツやマグダレーナ・スアレスの絵画を無造作に貼り付けたシャツなどを、微妙なカラーバランスで遊ぶ世界はマルニのアーキテクチャーそのもの。
サルトリアの技術が完璧な着心地を追求したイタリアのメンズウェアを、少年の世界にトランスレートしたマルニのスピリットを、着実にリッソが継承。依然としてミラノメンズの重要なポジションを担うブランドであることは間違いない。
Text: Tatsuya Noda