ジェレミー・スコットによる「モスキーノ(MOSCHINO)」の2016春夏メンズコレクションが6月18日ピッティ・イマージネ・ウオモで発表された。
王冠を被ったレーシングスーツで始まったコレクションは、一目でイタリア人オートバイレーサーのバレンティーノ・ロッシがモデルなのでは、と思わせるジェレミーらしいお遊びでスタート。お遊びと思いきや、コレクションはまさにイブニングウェア&スポーツをテーマにした、時代を早回しした超絶スラップスティック。
次々に登場するテールコート、バイカージャケット、スペンサージャケットなどは、サテンシルクのプロケードや、レース刺繍、ラッフルなどをふんだんに使い、ピーコック革命の再来のよう。それはジェンダー、時代を飛び越えた“イッちゃってる”スタイル。
ヴァンティーノ・ロッシとフレッド・アステアが、『2001年宇宙の旅』と『ステインアライブ』が一緒になった映画で出会って、ジミ・ヘンドリックスとプリンスとルイ16世の香りを少しプラスというストーリーが見事に組み立てられ、クラシコメンズの聖地と言われたピッティ・ウオモのランウェイに。それはモスキーノとジェレミー・スコットという組み合わせでしか生み出せない、2016年の世界観であることは確か。