ブシュロンは、2023年9月8日、パリ・ヴァンドーム広場26番地の歴史ある本店に次ぐ最大規模の旗艦店「ブシュロン銀座本店」をオープンしました。
ブシュロンは、1973年に日本でのビジネスをスタートし、現在日本国内で19店舗を展開しています。創業時よりメゾンに継承される2つのコアバリューであるサヴォワール フェールと革新性を体現する新しいブティックは、全4フロアから成り、約1,000平方メートルというメゾンにとって最大規模の面積を誇ります。
ーエレーヌ・プリ=デュケン(ブシュロン CEO)
自然への没入体験
東京の中心地に息づくパリの庭園。自然の要素を随所にちりばめた新しいブティックでは、自然をテーマとした革新性と創造性に満ちた旅を追体験することができます。ブシュロンが重んじる審美的価値と伝統的な日本の文化や芸術には、自然の力強さと生命力、また、その繊細さと儚い美しさの表現という共通点があります。この自然への畏敬の念を表現するために、メゾンはヴァンドーム広場本店の最も象徴的なエリアである「Jardin d'Hiver(冬の庭園)」の建築様式を再解釈し、ファサードのデザインに取り入れました。日中は透明なファサードから、銀座店の各フロアの様子を眺めることができますが、夜になると時間帯や四季に合わせて刻々と変化する森のアニメーションが展開します。銀座の中央通りという都会的な環境の中に現れる詩的なオアシスのように、一瞬でブシュロンの季節折々の風景に没入することができます。
このファサードで展開される四季の景色は、完全にリアルタイムCGで生成されたアニメーションです。ベースとなる自然の景観・森を最新の仮想技術で再現し、様々なアングルから季節ごとの美しい自然の移ろいを表現しています。このブシュロン銀座本店のファサードでは、同じ映像が流れることはありません。心を動かすような体験のためにイノベーションを導入し、表現の手段として活用しているのです。
ファサードで見ることのできる自然の景観のアニメーションは、ブティック内のスクリーンにも流れます。また、作曲家、プロデューサーでもある、サウンドアーティストのDaniel Sonabend(ダニエル・ソナベンド)らとのコラボレーションにより、イマーシブな体験を完成させるサウンドを制作しました。夏の蝉の声、秋の落葉、冬の雨、春の小鳥のさえずりなど、それぞれの季節特有の音色を解釈したサウンドを奏でます。
ブシュロンのアイコンジュエリーとの出会い
ブティックの1階には、ブシュロンのアイコンコレクションがディスプレイされます。自然の要素を随所に配したフロアには、キャトル、セルパンボエム、ジャック ドゥ ブシュロン、ナチュール トリオンファント、アニマルコレクションを展開します。創業者フレデリック・ブシュロンがたびたびジュエリーのデザインにも取り入れたアイビー(蔦)柄が特徴的なのモザイクのフロアは、フランス人アーティストのGaspard Mahieu(ガスパール・マイユ)氏のアトリエが手掛けたものです。自然の植物を生き生きと描いたフロアは、6人の職人たちの細かな手作業によって完成しました。「銀座本店を代表する象徴的な作品として、葉の揺れ、風のそよぎ、光の動きなど、植物の生命力と躍動感を表現したいと考えました。非常に硬質で荒々しい割肌の大理石と、モザイクによる流れるような曲線が驚くようなコントラストを生み出します」とガスパール・マイユ氏は述べます。
また、1階をさらに奥に進んでいくと、植物が描かれた壁面とカラーグラデーションガラスのミラーが現れ、ミラーによって広い空間を演出。シルクの壁紙はDe Gournay(ドゥ グルネイ)にオーダーメイドしたもので、生命を吹き込まれたようなアイビーが描かれています。壁を覆うミラーをデザインしたのは、オランダ人デザイナーの Sabine Marcelis(サビーヌ・マルセリス)氏です。「非常に正確な作業を可能にする工業的なプロセスで色彩を研究しています。光の屈折の仕方は、色の知覚に影響を与えます。私にとって、光による表現は常にプロジェクトの中心にあります。光による陰影のわずかな違いが、空間の捉え方を大きく変えることがあるのです」とサビーヌ・マルセリス氏は述べます。
照明は、1895年に創業されたフランスのファミリーメゾン、Delisle(ドリル)社のシャンデリアです。ブシュロン銀座本店のためのデザインは、パリ・ヴァンドーム広場本店の荘厳なシャンデリアを思わせます。そして、1階奥に視線を集めるショーケースは、フランスのアトリエ、Maison Pouenat(メゾン・プエナ)が手掛けたものです。金箔で覆われた異なる質感の真鍮を寄木細工のように組み合わせた放射状のデザインは、アート作品そのもの。このショーケースには、メゾンを代表するコレクション、自然をモチーフとしたハイジュエリーである「リエール ドゥ パリ」のクエスチョンマークネックレスがディスプレイされます。
時を超える旅
また、パリ万国博覧会の展示ケースからインスピレーションを得たショーケースは、メゾンの歴史やヘリテイジに敬意を示すものです。フレデリック・ブシュロンがグランプリを受賞した1889年の万国博覧会。その受賞作品の中には、およそ10年前に考案された「クエスチョンマークネックレス」も含まれていました。スプリング(バネ)を内蔵させ、クラスプをなくしたネックレスの登場はハイジュエリーにおける転換点であり、ブシュロンのサヴォワール フェールと革新性を体現するものです。
過去と現在、そしてフランスと日本の文化をつなぐ真の架け橋となるショーケースには、日本人アーティストのMiyouki Nakajima(中島みゆき)氏によるオブジェがディスプレイされます。日本の伝統工芸に現代的なビジョンを加えることによって、自然が生み出す力強さと生命力、そしてその儚ない美しさを表現します。自身の創作活動について、2つの文化を掛け合わせたものが根底にあると語る彼女が考案したのは、竹、ハス、シダといった自然の造形物を、シルク、鉱物、金属粉を用いて表現した彫刻作品です。日本の伝統的な染色の表現とフランスのオートクチュールのサヴォワール フェールを融合させた技法を用い、制作のすべての段階を手作業で行っています。
メゾンのアイコンキャット、ウラジミールの遊び場
ブティックの各フロアをつなぐ階段の壁面には植物が生い茂り、自然への没入感をいっそう高めます。下層階から継続する景色のようにデザインされた、建物の上部へとつながる庭園。想像上の庭園でありながら、リアルな自然の風景に常に触れることができ、同時に光と音によっても自然を体験することを可能にします。また、この場所はメゾンのアイコニックな黒猫であるウラジミールにとっての遊び場でもあります。
おもてなしの空間
2階では、メゾンのほぼすべての作品を見ること、そして試着することができます。このフロアは、ヴァンドーム広場本店内の一角にある「ジャルダン ディヴェール(冬の庭園)」のプライベートな雰囲気を再解釈し、豊かな自然環境の中に居心地の良いVIPのためのスペースがデザインされました。
ランドスケープデザインを専門とする日本のスタジオ、TOHO LEO(東邦レオ)によるバックライトで照らされた壁と天井は、自然光のような柔らかな光を拡散させ、植物が生い茂る本物のガラス窓のような錯覚を生み出します。また日本の伝統工芸である陶磁器の花瓶には様々な植物がディスプレイされ、この特別な空間を完成させます。
特別なセレモニー
3階はブライダルのフロアです。優美な曲線を描くフロアで、カップルたちはエンゲージメントリング、そしてウェディングリングと出会います。フロアに配された白い樹木のオブジェは、日本人アーティストによるデザインスタジオYOY(ヨイ)が手掛け、願いや誓いを神社仏閣の神聖な木に結ぶという日本独自の風習からインスピレーションを受けたものです。白樺のようなこれらの樹木の造形は透明な幹や枝の表面にドレスを思わせるレース素材を覆う繊細な細工が施されています。
日本に伝わるセレモニーへのオマージュとして、ブシュロンはインタラクティブな体験“The Wishing Tree(願いの木)”をRandom Studio(ランダム スタジオ)と開発しました。ウエディングのためのこの森で、カップルは想いや願いを記すことができます。記された内容はテクノロジーによってその場で音と光に変換され、特別な体験、セレモニーとなります。カップルはQRコードを保存することで、この瞬間を永遠に刻みます。こうしてカップルたちが愛の願いを閉じ込める度に、二人だけの旋律が奏でられていくことでしょう。
革新は夢の実現のために
ブシュロン銀座本店の旅の締めくくりとして、ブシュロンは革新的な素材を使った代表的な作品を最上階である4階に展示することにしました。それが「イノベーションラボ」です。このスペースでは、感情を揺さぶることや心に響くこと、その考えをクリエイティブ制作の中心に据えた革新的な作品に焦点を当て、その独自性を紐解きます。“Precious(貴さ)”の意味を問い続けるこの芸術的なアプローチは、ハイジュエリーによる表現方法の領域を押し広げるものであり、宝飾業界において伝統的に定義されてきたハイジュエリーの概念に対する挑戦でもあります。
ブシュロンは、長きにわたり創造の自由を奨励し、その挑戦への機会を与えてくれました。例えば、美しく貴重なものの意味を問いながら従来とは異なる方法でかつてないものを生み出し、私たちの独自性を確立してきましたが、これらはすべてメゾンに受け継がれる精神が基盤となっています。創業者フレデリック・ブシュロンは、1858年の創業以来、革新や技術において先駆的な役割を果たしてきました。現在に至るまで、私たちはこの創造の自由を尊重し続けることで、メゾンの伝統を受け継いでいます。
私のアプローチは、クリエイティブやテーマにおいて、できる限り自由であることやそこに夢を描くことです。私のクリエイションは常に夢からスタートします。その後、その夢を実現するために最適な方法を見つけるプロセスに魅了されます。つまり、このクリエイティブの夢を現実するために、ハイジュエリー制作では使われたことがない素材や、想像を超えるテクノロジーを自在に試す自由を与えられているのです。幸運なことに、CEOのエレーヌ・プリ=デュケンも、私と同じようにイノベーションを愛し、多少クレイジーに思えるアイデアも受け入れ、創造の自由を与えてくれます。彼女と一緒に仕事ができることにとても感謝しています。
ークレール・ショワンヌ(クリエイティブディレクター)
「イノベーションラボ」では、メゾンを代表する最も革新的な4つの作品の制作過程をめぐることができます。「フルール エターナル」、コファリット(R)を採用した「ジャック ドゥ ブシュロン ウルティム」のブローチ、「コンテンプレーション」のエアロゲルブレスレット、そして「アイユール」のウッド素材を使ったブローチです。これらのクリエイションの制作工程やそこに使用された革新的な素材のサンプルを見ることできます。
ブティックのオープン時には、スペースの形状を自在に変えることができるこのエリアで、メゾンの最新ハイジュエリーコレクションの「モア イズ モア」が特別展示されます。クリエイティブディレクターは、シンプルなフォルム、鮮やかな色彩、極端なスケールの要素をハイジュエリーに用いることで、他にはない、類まれなクリエイションを生み出しました。このコレクションには、ブシュロンのハイジュエリー制作に対する、「美しく貴重でありながら、ありきたりで退屈とは対極にあるもの」というビジョンが反映されています。
今回の展示では、ブシュロンの銀座本店のオープンを記念して、「モア イズ モア」コレクションより初めて披露される3作品が展示されます。ブシュロンの日本への想いを物語る北斎の波をはじめ、猫のウラジミール、紫陽花をモチーフにした3種類のまるでポップなワッペンのようなプレシャスなブローチです。
持続可能な旗艦店の在り方
ブシュロンは、東京の中心部に位置する2014年に建設されたビルに新しい旗艦店をリロケーションオープンすることを決めました。サステナビリティ戦略の一環として発表したインパクトレポート“Precious for the Future”でのコミットメントに基づき、LEED(Leadership in Energy and Environnemental Design)の認証取得を目指しました。この認証は、建物の存在サイクル全体での環境への影響を測定し、削減することを目指しています。そして、その評価は、敷地レイアウト、水の管理、エネルギーパフォーマンス、原料と資源の利用と管理、そして室内環境の質と技術革新の6つの主要なポイントに基づいています。認証には、テーマごとに具体的な目標を設定し、それを達成することで最低スコアを得る必要があります。現在、結果は保留中であり、ブシュロンは最終的な証明書を待っています。
新しいパッケージのお披露目
“No Pack is the New Pack(梱包しないという選択)”
2023年、ブシュロンはジュエリーケースをリニューアルしました。ジュエリーケースの在り方を再考し、アルミニウムとウールフェルトのたった2つの再生素材のみを使用したオブジェのようなケースです。宝飾業界の慣習を壊し、新たに誕生した7種類のケース。この革新的なパッケージへの取り組みは、ヴァンドーム広場のジュエラーの歴史に新たな章を刻みます。2023年6月に発表され、ヴァンドーム広場本店から展開をスタートした新しいパッケージは、2023年9月よりブシュロン銀座本店でも展開を開始し、その後他のブティックでも導入される予定です。
【オフィシャルサイト内 銀座本店リニューアルオープン特設ページ】
https://www.boucheron.com/ja_jp/ginza-boutique-teaser
ブシュロンについて
1858年にフレデリック・ブシュロンが創業し、自由な精神とスタイルが継承されてきたブシュロン。パリ・ヴァンドーム広場にブティックを構えた最初のハイジュエラーとして、ブシュロンはジュエリーとウォッチの分野において、メゾンの地位を確立してきました。自由で大胆な精神を持つブシュロンの唯一無二のスタイルは、世代を超えて受け継がれ、160年以上の歴史を誇ります。現在、ブシュロンは世界各国で73以上のブティックを展開し、国際的なラグジュアリーグループであるケリングに属しています 。
ブシュロンは、1973年に日本でのビジネスをスタートし、現在日本国内で19店舗を展開しています。創業時よりメゾンに継承される2つのコアバリューであるサヴォワール フェールと革新性を体現する新しいブティックは、全4フロアから成り、約1,000平方メートルというメゾンにとって最大規模の面積を誇ります。
この度の、メゾンにとって最大規模となる新旗艦店「ブシュロン銀座本店」のオープンは、19店舗から成るローカルネットワークを補完し、間違いなく私たちの日本でのビジネスにとって大きな転機となるものであると考えます。この旗艦店の誕生は、日本におけるメゾンのプレゼンス向上に貢献することでしょう。日本の四季からインスピレーションを得たイマーシブなファサードから、4フロアそれぞれで展開されるユニークな体験まで、この新しいブティックでは、随所に心躍る自然の要素を感じることができます。それは、1858年の創業以来メゾンが大切にしてきた自然への慈しみや賛美の表現です。自然との強い結びつきには私自身も強い愛着を持っており、そこが、私が新しいブティックの要素の中で最も気に入っている部分です。これは日本とフランス、自然を愛する両国を結びつけるものでもあるのです。 この感動的な体験を日本のお客様に味わっていただけることを心待ちにしています。
ーエレーヌ・プリ=デュケン(ブシュロン CEO)
自然への没入体験
東京の中心地に息づくパリの庭園。自然の要素を随所にちりばめた新しいブティックでは、自然をテーマとした革新性と創造性に満ちた旅を追体験することができます。ブシュロンが重んじる審美的価値と伝統的な日本の文化や芸術には、自然の力強さと生命力、また、その繊細さと儚い美しさの表現という共通点があります。この自然への畏敬の念を表現するために、メゾンはヴァンドーム広場本店の最も象徴的なエリアである「Jardin d'Hiver(冬の庭園)」の建築様式を再解釈し、ファサードのデザインに取り入れました。日中は透明なファサードから、銀座店の各フロアの様子を眺めることができますが、夜になると時間帯や四季に合わせて刻々と変化する森のアニメーションが展開します。銀座の中央通りという都会的な環境の中に現れる詩的なオアシスのように、一瞬でブシュロンの季節折々の風景に没入することができます。
このファサードで展開される四季の景色は、完全にリアルタイムCGで生成されたアニメーションです。ベースとなる自然の景観・森を最新の仮想技術で再現し、様々なアングルから季節ごとの美しい自然の移ろいを表現しています。このブシュロン銀座本店のファサードでは、同じ映像が流れることはありません。心を動かすような体験のためにイノベーションを導入し、表現の手段として活用しているのです。
ファサードで見ることのできる自然の景観のアニメーションは、ブティック内のスクリーンにも流れます。また、作曲家、プロデューサーでもある、サウンドアーティストのDaniel Sonabend(ダニエル・ソナベンド)らとのコラボレーションにより、イマーシブな体験を完成させるサウンドを制作しました。夏の蝉の声、秋の落葉、冬の雨、春の小鳥のさえずりなど、それぞれの季節特有の音色を解釈したサウンドを奏でます。
ブシュロンのアイコンジュエリーとの出会い
ブティックの1階には、ブシュロンのアイコンコレクションがディスプレイされます。自然の要素を随所に配したフロアには、キャトル、セルパンボエム、ジャック ドゥ ブシュロン、ナチュール トリオンファント、アニマルコレクションを展開します。創業者フレデリック・ブシュロンがたびたびジュエリーのデザインにも取り入れたアイビー(蔦)柄が特徴的なのモザイクのフロアは、フランス人アーティストのGaspard Mahieu(ガスパール・マイユ)氏のアトリエが手掛けたものです。自然の植物を生き生きと描いたフロアは、6人の職人たちの細かな手作業によって完成しました。「銀座本店を代表する象徴的な作品として、葉の揺れ、風のそよぎ、光の動きなど、植物の生命力と躍動感を表現したいと考えました。非常に硬質で荒々しい割肌の大理石と、モザイクによる流れるような曲線が驚くようなコントラストを生み出します」とガスパール・マイユ氏は述べます。
また、1階をさらに奥に進んでいくと、植物が描かれた壁面とカラーグラデーションガラスのミラーが現れ、ミラーによって広い空間を演出。シルクの壁紙はDe Gournay(ドゥ グルネイ)にオーダーメイドしたもので、生命を吹き込まれたようなアイビーが描かれています。壁を覆うミラーをデザインしたのは、オランダ人デザイナーの Sabine Marcelis(サビーヌ・マルセリス)氏です。「非常に正確な作業を可能にする工業的なプロセスで色彩を研究しています。光の屈折の仕方は、色の知覚に影響を与えます。私にとって、光による表現は常にプロジェクトの中心にあります。光による陰影のわずかな違いが、空間の捉え方を大きく変えることがあるのです」とサビーヌ・マルセリス氏は述べます。
照明は、1895年に創業されたフランスのファミリーメゾン、Delisle(ドリル)社のシャンデリアです。ブシュロン銀座本店のためのデザインは、パリ・ヴァンドーム広場本店の荘厳なシャンデリアを思わせます。そして、1階奥に視線を集めるショーケースは、フランスのアトリエ、Maison Pouenat(メゾン・プエナ)が手掛けたものです。金箔で覆われた異なる質感の真鍮を寄木細工のように組み合わせた放射状のデザインは、アート作品そのもの。このショーケースには、メゾンを代表するコレクション、自然をモチーフとしたハイジュエリーである「リエール ドゥ パリ」のクエスチョンマークネックレスがディスプレイされます。
時を超える旅
また、パリ万国博覧会の展示ケースからインスピレーションを得たショーケースは、メゾンの歴史やヘリテイジに敬意を示すものです。フレデリック・ブシュロンがグランプリを受賞した1889年の万国博覧会。その受賞作品の中には、およそ10年前に考案された「クエスチョンマークネックレス」も含まれていました。スプリング(バネ)を内蔵させ、クラスプをなくしたネックレスの登場はハイジュエリーにおける転換点であり、ブシュロンのサヴォワール フェールと革新性を体現するものです。
過去と現在、そしてフランスと日本の文化をつなぐ真の架け橋となるショーケースには、日本人アーティストのMiyouki Nakajima(中島みゆき)氏によるオブジェがディスプレイされます。日本の伝統工芸に現代的なビジョンを加えることによって、自然が生み出す力強さと生命力、そしてその儚ない美しさを表現します。自身の創作活動について、2つの文化を掛け合わせたものが根底にあると語る彼女が考案したのは、竹、ハス、シダといった自然の造形物を、シルク、鉱物、金属粉を用いて表現した彫刻作品です。日本の伝統的な染色の表現とフランスのオートクチュールのサヴォワール フェールを融合させた技法を用い、制作のすべての段階を手作業で行っています。
メゾンのアイコンキャット、ウラジミールの遊び場
ブティックの各フロアをつなぐ階段の壁面には植物が生い茂り、自然への没入感をいっそう高めます。下層階から継続する景色のようにデザインされた、建物の上部へとつながる庭園。想像上の庭園でありながら、リアルな自然の風景に常に触れることができ、同時に光と音によっても自然を体験することを可能にします。また、この場所はメゾンのアイコニックな黒猫であるウラジミールにとっての遊び場でもあります。
おもてなしの空間
2階では、メゾンのほぼすべての作品を見ること、そして試着することができます。このフロアは、ヴァンドーム広場本店内の一角にある「ジャルダン ディヴェール(冬の庭園)」のプライベートな雰囲気を再解釈し、豊かな自然環境の中に居心地の良いVIPのためのスペースがデザインされました。
ランドスケープデザインを専門とする日本のスタジオ、TOHO LEO(東邦レオ)によるバックライトで照らされた壁と天井は、自然光のような柔らかな光を拡散させ、植物が生い茂る本物のガラス窓のような錯覚を生み出します。また日本の伝統工芸である陶磁器の花瓶には様々な植物がディスプレイされ、この特別な空間を完成させます。
特別なセレモニー
3階はブライダルのフロアです。優美な曲線を描くフロアで、カップルたちはエンゲージメントリング、そしてウェディングリングと出会います。フロアに配された白い樹木のオブジェは、日本人アーティストによるデザインスタジオYOY(ヨイ)が手掛け、願いや誓いを神社仏閣の神聖な木に結ぶという日本独自の風習からインスピレーションを受けたものです。白樺のようなこれらの樹木の造形は透明な幹や枝の表面にドレスを思わせるレース素材を覆う繊細な細工が施されています。
日本に伝わるセレモニーへのオマージュとして、ブシュロンはインタラクティブな体験“The Wishing Tree(願いの木)”をRandom Studio(ランダム スタジオ)と開発しました。ウエディングのためのこの森で、カップルは想いや願いを記すことができます。記された内容はテクノロジーによってその場で音と光に変換され、特別な体験、セレモニーとなります。カップルはQRコードを保存することで、この瞬間を永遠に刻みます。こうしてカップルたちが愛の願いを閉じ込める度に、二人だけの旋律が奏でられていくことでしょう。
革新は夢の実現のために
ブシュロン銀座本店の旅の締めくくりとして、ブシュロンは革新的な素材を使った代表的な作品を最上階である4階に展示することにしました。それが「イノベーションラボ」です。このスペースでは、感情を揺さぶることや心に響くこと、その考えをクリエイティブ制作の中心に据えた革新的な作品に焦点を当て、その独自性を紐解きます。“Precious(貴さ)”の意味を問い続けるこの芸術的なアプローチは、ハイジュエリーによる表現方法の領域を押し広げるものであり、宝飾業界において伝統的に定義されてきたハイジュエリーの概念に対する挑戦でもあります。
ブシュロンは、長きにわたり創造の自由を奨励し、その挑戦への機会を与えてくれました。例えば、美しく貴重なものの意味を問いながら従来とは異なる方法でかつてないものを生み出し、私たちの独自性を確立してきましたが、これらはすべてメゾンに受け継がれる精神が基盤となっています。創業者フレデリック・ブシュロンは、1858年の創業以来、革新や技術において先駆的な役割を果たしてきました。現在に至るまで、私たちはこの創造の自由を尊重し続けることで、メゾンの伝統を受け継いでいます。
私のアプローチは、クリエイティブやテーマにおいて、できる限り自由であることやそこに夢を描くことです。私のクリエイションは常に夢からスタートします。その後、その夢を実現するために最適な方法を見つけるプロセスに魅了されます。つまり、このクリエイティブの夢を現実するために、ハイジュエリー制作では使われたことがない素材や、想像を超えるテクノロジーを自在に試す自由を与えられているのです。幸運なことに、CEOのエレーヌ・プリ=デュケンも、私と同じようにイノベーションを愛し、多少クレイジーに思えるアイデアも受け入れ、創造の自由を与えてくれます。彼女と一緒に仕事ができることにとても感謝しています。
ークレール・ショワンヌ(クリエイティブディレクター)
「イノベーションラボ」では、メゾンを代表する最も革新的な4つの作品の制作過程をめぐることができます。「フルール エターナル」、コファリット(R)を採用した「ジャック ドゥ ブシュロン ウルティム」のブローチ、「コンテンプレーション」のエアロゲルブレスレット、そして「アイユール」のウッド素材を使ったブローチです。これらのクリエイションの制作工程やそこに使用された革新的な素材のサンプルを見ることできます。
ブティックのオープン時には、スペースの形状を自在に変えることができるこのエリアで、メゾンの最新ハイジュエリーコレクションの「モア イズ モア」が特別展示されます。クリエイティブディレクターは、シンプルなフォルム、鮮やかな色彩、極端なスケールの要素をハイジュエリーに用いることで、他にはない、類まれなクリエイションを生み出しました。このコレクションには、ブシュロンのハイジュエリー制作に対する、「美しく貴重でありながら、ありきたりで退屈とは対極にあるもの」というビジョンが反映されています。
今回の展示では、ブシュロンの銀座本店のオープンを記念して、「モア イズ モア」コレクションより初めて披露される3作品が展示されます。ブシュロンの日本への想いを物語る北斎の波をはじめ、猫のウラジミール、紫陽花をモチーフにした3種類のまるでポップなワッペンのようなプレシャスなブローチです。
持続可能な旗艦店の在り方
ブシュロンは、東京の中心部に位置する2014年に建設されたビルに新しい旗艦店をリロケーションオープンすることを決めました。サステナビリティ戦略の一環として発表したインパクトレポート“Precious for the Future”でのコミットメントに基づき、LEED(Leadership in Energy and Environnemental Design)の認証取得を目指しました。この認証は、建物の存在サイクル全体での環境への影響を測定し、削減することを目指しています。そして、その評価は、敷地レイアウト、水の管理、エネルギーパフォーマンス、原料と資源の利用と管理、そして室内環境の質と技術革新の6つの主要なポイントに基づいています。認証には、テーマごとに具体的な目標を設定し、それを達成することで最低スコアを得る必要があります。現在、結果は保留中であり、ブシュロンは最終的な証明書を待っています。
新しいパッケージのお披露目
“No Pack is the New Pack(梱包しないという選択)”
2023年、ブシュロンはジュエリーケースをリニューアルしました。ジュエリーケースの在り方を再考し、アルミニウムとウールフェルトのたった2つの再生素材のみを使用したオブジェのようなケースです。宝飾業界の慣習を壊し、新たに誕生した7種類のケース。この革新的なパッケージへの取り組みは、ヴァンドーム広場のジュエラーの歴史に新たな章を刻みます。2023年6月に発表され、ヴァンドーム広場本店から展開をスタートした新しいパッケージは、2023年9月よりブシュロン銀座本店でも展開を開始し、その後他のブティックでも導入される予定です。
【ブティック情報】
ブシュロン銀座本店
BOUCHERON GINZA FLAGSHIP STORE
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座2-6-16
営業時間: 11:00-20:00 不定休
https://www.boucheron.com/
ブシュロン銀座本店
BOUCHERON GINZA FLAGSHIP STORE
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座2-6-16
営業時間: 11:00-20:00 不定休
https://www.boucheron.com/
【オフィシャルサイト内 銀座本店リニューアルオープン特設ページ】
https://www.boucheron.com/ja_jp/ginza-boutique-teaser
ブシュロンについて
1858年にフレデリック・ブシュロンが創業し、自由な精神とスタイルが継承されてきたブシュロン。パリ・ヴァンドーム広場にブティックを構えた最初のハイジュエラーとして、ブシュロンはジュエリーとウォッチの分野において、メゾンの地位を確立してきました。自由で大胆な精神を持つブシュロンの唯一無二のスタイルは、世代を超えて受け継がれ、160年以上の歴史を誇ります。現在、ブシュロンは世界各国で73以上のブティックを展開し、国際的なラグジュアリーグループであるケリングに属しています 。