トム ブラウン ニューヨーク(THOM BROWNE. NEW YORK)は1月26日、パリ郊外一歩手前、19区に位置する商業施設を会場に15-16AWメンズコレクションのショーを開催した。
ランウェイ正面に白い3部屋を設営し、左の部屋には机とイスとティーセット、中央の部屋にベッドとクローゼット、右の部屋に机とイスとタイプライターが置かれている。
中央の部屋のベッドから男性モデルが起き、クローゼットから白いスーツを取り出して着用。両隣の部屋でそれぞれ紅茶を飲み、タイプライターを打つ。そして再び中央の部屋に戻り、黒いスーツに着替え、両隣の部屋に掛けられている暗幕を引くと壁一面が黒くなった。中央の部屋も暗幕を引いて黒くし片面が黒い布団と枕を裏返し、黒くなったベッドにモデルが入って眠る。それがこの男性の死を意味し、黒い雪が降る中、弔問に訪れる人々をモデルたちが演じた。
それぞれ、スティーブン・ジョーンズによるハットを被り、黒尽くめのコスチュームをまとっている。ムートンのコートや、ミンクを衿、袖、ヘムに飾ったコート、アストラカンのジャケットなど、マニッシュなルックが続く中、時折ヴェールの付いたハットやスカート、ツイードのジャケットがミックスされ、マダム風のコーディネートを見せる。
終始ダークオーラを放つコレクションには、時折、亀のアップリケのケープ、亀の刺繍のサテンジャケット、あるいはクジラの形をしたレザーのバッグなども登場し、ドンヨリとした空気の中にトム・ブラウン(Tom Brown)らしいユーモアを滲ませ、見る者をホッとさせた。