【ルック】ボッテガ・ヴェネタがミラノで WINTER 2023 を発表

2023.02.27
ボッテガ・ヴェネタBOTTEGA VENETA)は、イタリアミラノにてWINTER 2023のランウェイショーを2月26日午前4時(現地時間 2月25日 午後8時)に開催しました。

「パレード:ストリートの錬金術は多様なものが集まった中に存在します。誰に出会うだろう? 角を曲がったところには何がある? あなたを驚かせるのは誰だろう? その出会いの驚きこそが重要なのです。」
マチュー・ブレイジー


クリエイティブ・ディレクターのマチュー・ブレイジーは「イタリア」三部作の締めくくりとなる今回のショーで、クラフト・イン・モーション(動きの中のクラフト)を通じてこの国の過去、現在、未来を引き続き祝福し、融合させています。このパレードでは過去の技法やモチーフ、絵画の登場人物、クリーチャーたちが時空を超え、現在と未来に語りかけます。命あるものとないものの両方が与える影響のカコフォニーが、ポリフォニーを作り上げます。それぞれに自分の役割があり、また、前へと進む流れの一部となっています。古代ローマの走る人のブロンズ像(紀元前 1 年)から、ボッチョーニによる未来派の作品「空間における連続性の唯一の形態」(1913 年)へと進み、そして今日発表された 2023 年ウィンターコレクションへとつながっているのです。今回のショーは、古代の神話と未来派が形作った未来の姿の両方から、さまざまな着想を得ています。ブレイジーのファウンデーションコレクションから継続し、今回のコレクションで発展させた “ ボッチョーニ ” シルエットを生み出すカッティングも、正に未来派の作り出した形と言えるでしょう。


演者たちによる探求のは続きますが、彼らは今や変幻自在に動き回り、日常から非日常へと旅する、変身中の登場人物の原型を表しています。そこには、シックであるとはどういうことなのか、またいつからそうなるのか、という問いかけがあります。ショーはいつもの朝をイメージさせる場面からスタートし、透け感のあるホワイトのシュミーズとベッドソックスドレスは素材の複雑さを感じさせず、またソックスはレザーをニットのように編んだシューズ)を身にまとった魅惑的な女性や、ピンストライプのナイトシャツ、あるいは “ グレーフランネル ” のパジャマ(いずれもナッパレザーを全面に使用)を身につけた、おしゃれにこだわる実業家が登場します。



ショーは前半のシルエットに見られる日常的な意味合いから、後半のより幻想的なムードまで、「着替える、変身する」というアイデアを探求し、新たな神話を形作っています。パレードは、司祭とプレイボーイ、夢遊病者と街角の娼婦、銀幕の美女と古代の海のセイレーンが闊歩する場所。なにより、ドレスアップすることの楽しさや一人ひとりの心に響く喜び、そして着る人が衣服を通してなりたい人間になれるという自信を得られる場所なのです。今回のコレクションでは、クラフトがイノベーションとして再構築されています。歴史のあるシルエットが復活し、深く開いたネックライン、芯を入れて作ったシルエット、スリット、吊り下げなどでアレンジされています。ボッティチェリの「プリマヴェーラ」(1482 年)のクロリスとフローラが現代的に再構成されており、シルクに施した精緻な手刺繍を再現、配置をアレンジすることでその変容に新たな展開をもたらしています。



今回のコレクションとショーは、あたかもシュルレアリスムの「優美な屍骸」のゲームのように、可能性の広がりを示しています。カットとクラフトによって変容を遂げた、キマイラのような奇想天外なクリーチャーが姿を現します。ボリュームとテクニックのコードをつなぎ合わせた、シャギーなフィルクーペジャカード。イントレチャートは新種の皮膚のように鱗や羽となって体を覆い、ウエアやレザーグッズに新たな形を見いだしたのです。この新しいクリーチャーたちが手に持つサーディン バッグのハンドルに使われているのは半透明のムラーノガラスで、形を変えられる素材として新たな可能性を獲得しています。ボッテガ・ヴェネタのストーリーを構成するひとつのパートの終わりと、新たなパート、新たな神話の始まりを示しているのです。


「イタリアのパレードというアイデアがとても気に入りました。行列や摩訶不思議なカーニバル。どこからともなくたくさんの人たちがやって来て、どういうわけかみなその場に収まり、同じ方向へと向かっていくのです。階級に関係なく、誰もが参加できる場所人々が集まるのはなぜなのか、見つめたいと思いました。」
マチュー・ブレイジー







編集部
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