妖怪や宗教的なモチーフを、独特の和テイストのタッチで描き出すカツマタ・ヒデユキ（Hideyuki Katsumata）。ファンの多いキャラクター「ハナウタ」を始め、海外でも人気を博すアーティストである。
伊勢丹新宿店にて、9月12日から17日に開催されるイベント「SOUL CAMP 2018 at ISETAN」には、同氏も参加し15日にはライブペインティングを行うという。一度見たら忘れないほど鮮烈な色使いに、個性を持ったキャラクターたち。これらの作品は一体どのようにしてこの世に生み出されるのだろうか? 彼が15周年記念Tシャツのデザインを手がけたり、この日の夜に行ったライブペイントの会場にもなるなど親交の深い、吉祥寺はアムリタ食堂にて話を訊いた。
Hideyuki Katsumata
アムリタ食堂 15周年記念Tシャツ Hideyuki Katsumata SP コラボ ver
そもそも彼の絵描きとしてのキャリアはどのようにしてスタートしたのか? その問いに対して返ってきたのは、実に意外な回答。なんと、彼が絵描きを志すキッカケは日本発のブランド、ザ ヴィリディアン（THE VIRIDI-ANNE）のデザイナー・岡庭智明なのだという。
「元々はファッション業界で働いていたんですけど、岡庭さんに初めてお会いした時に、洋服に対する意識の高さの違いを痛感したんです。そこで何となくやってた自分は『この人には敵わないな』って思って（笑）。それから自分が他の人に勝てるものってなんだろうって考えて、絵を描き始めました。岡庭さんにはそれからもすごくよくしてもらっていて、一時期は毎日のように呑みに行ったりもしていました。彼は東京造形大学出身なので、絵について教えてもらったり。2年位前までは新しい作品ができる毎に見てもらってたんですよ」。
絵については基本独学。学校などでアカデミックに勉強したことはないとのことだが、遡ってみると幼少期の頃から後の作品へと繋がる趣向を持っていた。誰もが通るようなガンダム、藤子不二雄作品と並行して愛好していたという、浮世絵や水墨画といった日本画だ。
「小学校の時に習っていた習字の先生が、（東洲斎）写楽やピカソの画集を持っていて。授業が終わったら色々な画集を見せてくれたんです。振り返ってみればそれがルーツかもしれないですね。それから中学生になるにつれて、もっと色々なものを掘るようになっていって」
work in progress for next exhibition at Good Vibes Only, HongKong on 17th August 2018
一方で、妖怪やオカルト、さらに宗教や神秘的なモチーフはどこからきているのだろうか。
「単純に、小さい頃から『忍者ハットリくん』や『怪物くん』が好きだったっていうのもあるかもしれません。実際の幽霊、おそらく座敷わらしを見たこともありますし（笑）。あとは、そういう目に見えない存在を信じて生きている方が、人生楽しいよなって思うんです。それこそ宇宙人とかも」。
また、「子供の頃の自分が見ても、惹かれるような作品を描きたい」と語る通り、彼の作品はおどろおどろしいものをモチーフとしていても、どこかポジティヴでハッピーな空気感が漂っている。「引き算ができないんですよね。デザイン的な思考で、シンプルでクールにするっていうのもいいと思うんですけど、それだけだとつまらなくなっちゃうんです。それに、引き算と違って足し算って無限にできるじゃないですか。どこまでも足していける（笑）」と、嬉しそうに語る彼の顔は、まさしくピュアな少年のようでもあった。
work in progress for next exhibition at Good Vibes Only, HongKong on 17th August 2018
また、その少年性とでも言うべき純粋さに繋がる要素として、彼の作品には性的なものをモチーフにしたものも少なくない。「何でもタブー視されてるからこそ楽しいんですよね。イタズラとかも、怒る人がいないとつまらないじゃないですか。それに、今は社会的にもそういうタブーとされるものが増えている世の中にもなっていると思うので、やりがいがありますよね。一応、表向きは春画をモチーフにしていますって言ったりして（笑）」。
ハナウタ（hanautah）
伊勢丹新宿店にて、9月12日から17日に開催されるイベント「SOUL CAMP 2018 at ISETAN」には、同氏も参加し15日にはライブペインティングを行うという。一度見たら忘れないほど鮮烈な色使いに、個性を持ったキャラクターたち。これらの作品は一体どのようにしてこの世に生み出されるのだろうか? 彼が15周年記念Tシャツのデザインを手がけたり、この日の夜に行ったライブペイントの会場にもなるなど親交の深い、吉祥寺はアムリタ食堂にて話を訊いた。
Hideyuki Katsumataアムリタ食堂 15周年記念Tシャツ Hideyuki Katsumata SP コラボ verそもそも彼の絵描きとしてのキャリアはどのようにしてスタートしたのか? その問いに対して返ってきたのは、実に意外な回答。なんと、彼が絵描きを志すキッカケは日本発のブランド、ザ ヴィリディアン（THE VIRIDI-ANNE）のデザイナー・岡庭智明なのだという。
「元々はファッション業界で働いていたんですけど、岡庭さんに初めてお会いした時に、洋服に対する意識の高さの違いを痛感したんです。そこで何となくやってた自分は『この人には敵わないな』って思って（笑）。それから自分が他の人に勝てるものってなんだろうって考えて、絵を描き始めました。岡庭さんにはそれからもすごくよくしてもらっていて、一時期は毎日のように呑みに行ったりもしていました。彼は東京造形大学出身なので、絵について教えてもらったり。2年位前までは新しい作品ができる毎に見てもらってたんですよ」。
絵については基本独学。学校などでアカデミックに勉強したことはないとのことだが、遡ってみると幼少期の頃から後の作品へと繋がる趣向を持っていた。誰もが通るようなガンダム、藤子不二雄作品と並行して愛好していたという、浮世絵や水墨画といった日本画だ。
「小学校の時に習っていた習字の先生が、（東洲斎）写楽やピカソの画集を持っていて。授業が終わったら色々な画集を見せてくれたんです。振り返ってみればそれがルーツかもしれないですね。それから中学生になるにつれて、もっと色々なものを掘るようになっていって」
work in progress for next exhibition at Good Vibes Only, HongKong on 17th August 2018 一方で、妖怪やオカルト、さらに宗教や神秘的なモチーフはどこからきているのだろうか。
「単純に、小さい頃から『忍者ハットリくん』や『怪物くん』が好きだったっていうのもあるかもしれません。実際の幽霊、おそらく座敷わらしを見たこともありますし（笑）。あとは、そういう目に見えない存在を信じて生きている方が、人生楽しいよなって思うんです。それこそ宇宙人とかも」。
また、「子供の頃の自分が見ても、惹かれるような作品を描きたい」と語る通り、彼の作品はおどろおどろしいものをモチーフとしていても、どこかポジティヴでハッピーな空気感が漂っている。「引き算ができないんですよね。デザイン的な思考で、シンプルでクールにするっていうのもいいと思うんですけど、それだけだとつまらなくなっちゃうんです。それに、引き算と違って足し算って無限にできるじゃないですか。どこまでも足していける（笑）」と、嬉しそうに語る彼の顔は、まさしくピュアな少年のようでもあった。
work in progress for next exhibition at Good Vibes Only, HongKong on 17th August 2018 また、その少年性とでも言うべき純粋さに繋がる要素として、彼の作品には性的なものをモチーフにしたものも少なくない。「何でもタブー視されてるからこそ楽しいんですよね。イタズラとかも、怒る人がいないとつまらないじゃないですか。それに、今は社会的にもそういうタブーとされるものが増えている世の中にもなっていると思うので、やりがいがありますよね。一応、表向きは春画をモチーフにしていますって言ったりして（笑）」。
ハナウタ（hanautah）
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