ミラノメンズの初日、2018-19年秋冬コレクションの初日トップとなるランウェイを飾るディーゼル ブラック ゴールド(DIESEL BLACK GOLD)。今シーズンのテーマは「旅」。今シーズン、多くのデザイナーやブランドが今シーズンも取り上げたこの普遍的なテーマの背景をクリエイティブ・ディレクターのアンドレアス メルボスタッド(Andreas Melbostad)にショーのバックヤードでインタビューした。
アンドレアス メルボスタッド / Photo by Tatsuya Noda © FASHION HEADLINE
Q:今回のコレクションのコンセプトを説明して頂けますか?
アンドレアス・メルボスタッド(以下A): 僕は「ニュー・トライブ」(新たな部族スタイル)と呼んでいるんだけど、さまざまなモチーフ、カルチャー、部族など世界中から興味を引くものをピックアップしたんだ。それぞれの民族から影響を受けて、グローバルなフィルターを通して一つのコレクションに仕上げている。ネイティブアメリカン、北欧、アフリカ、イスラム圏、ヨーロッパ、アジアなど様々な文化をミックスすることで、今のファッションの気分を伝えたかったというのがその理由だよ。
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ディーゼル ブラック ゴールド2018-19年秋冬コレクションバックステージ
Q:それぞれの民族文化というのは、具体的に何から影響を受けているのですか?
A:コスチューム(民族衣装)を出発点にリサーチを進めて、80年代のアーカイブも参考にしたよ。実際に自分が旅した経験や、写真、映画、音楽などを参考にしている。本当にいろいろなジャンルからモチーフを引き出している。バイカーやロッカーといったこのブランドのカルチャーと、各民族文化の職人技とが、お互いを引き立てることも考えた。
Q:インテリアファブリックやインテリアデザインからの引用も多く見られました。南米や北欧のモチーフが多く見受けられたようですが?
A:そうだね。カーペットやラグのパターンはカリビアンやネイティブインディアンなどから、北欧のインテリアや南米の織物などのネイティブなパターンも多く使っている、このドレスはアフガニスタンや東ヨーロッパの民族衣装のモチーフをミックスしている。ルーマニアのペザントドレスやベトナムの少数民族の衣装のデザインにも影響をうけている。ミリタリーのレザ—ジャケットやボンバージャケット、ピーコートなどはこのブランドの重要なキーアイテムだけど、今回はナバホ族のカーペットパターンを組み合わせた。キルティングピースはエスキモーのスピリチュアルな要素を取り入れている。このニットはノルウェーっぽいよね。
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Q:ヒッピーテイストのアイテムも気になりました。
A:デニムに施した刺繍はシリアやパレスチナの民族衣装からのパターン。レザーのステッチやスタッズはネイティブ・アメリカンやメキシコのアルチザンのテクニックを使用し、バッグやシューズ、アクセサリーにもフリンジやバックルなど民族衣装からの引用は数多く使っている。
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Q:使っているファブリックはそれぞれの国のオリジナルの素材?
A:必ずしもオリジナルではないけれど、このペルーの伝統的なモチーフを使ったニットはアルパカだね。シリアやパキスタンの刺繍のモチーフを、コットンキャンバスやスウェード、デニム、シャンブレーなどの素材に装飾することで、新しいイメージを与えることを考えた。
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Q:ハイテク素材は使っていますか?
A:ファブリックは基本的に、デニムやシャンブレーといった昔からある素材が中心。ナバホ柄のブランケットやイカットジャカードなど特別なファブリックを使っている。いずれにしても今シーズンはナチュラルな素材が多く、テクニカルな素材を意識したとは言えないだろうね。
Q:昨秋冬シーズンは“アーバン忍者”がテーマで、日本の武道の衣装の影響が見られましたが、今回、日本のモチーフはあまり使用されていなかったようですね?
A:そう言われればそうだね。今回のショーで日本とのコラボは『もののけ姫』だよ(笑)。
始まる前から会場内に日本語の台詞のようなものが流れ、オープニングは『もののけ姫』のサウンドトラック。不思議な空気感のなかでスタートしたショーは、ウィメンズのメインコレクションも同時に発表されたせいか、シーズンを代表するネイティブパターンと共に新しいディーゼル ブラック ゴールドの世界を描き出した。フィナーレの曲は南アフリカから誕生した新しいハウスサウンドのゴム(Gqom)。『もののけ姫』に始まりゴムで終わった大航海は、エスニックという新しいスパイスが効いて、アンドレアスの表情も幾分上気したように見えた。
ディーゼル ブラック ゴールド2018-19年秋冬コレクションショーフィナーレ
Text: Tatsuya Noda
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Q:今回のコレクションのコンセプトを説明して頂けますか?
アンドレアス・メルボスタッド(以下A): 僕は「ニュー・トライブ」(新たな部族スタイル)と呼んでいるんだけど、さまざまなモチーフ、カルチャー、部族など世界中から興味を引くものをピックアップしたんだ。それぞれの民族から影響を受けて、グローバルなフィルターを通して一つのコレクションに仕上げている。ネイティブアメリカン、北欧、アフリカ、イスラム圏、ヨーロッパ、アジアなど様々な文化をミックスすることで、今のファッションの気分を伝えたかったというのがその理由だよ。
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Q:それぞれの民族文化というのは、具体的に何から影響を受けているのですか?
A:コスチューム(民族衣装)を出発点にリサーチを進めて、80年代のアーカイブも参考にしたよ。実際に自分が旅した経験や、写真、映画、音楽などを参考にしている。本当にいろいろなジャンルからモチーフを引き出している。バイカーやロッカーといったこのブランドのカルチャーと、各民族文化の職人技とが、お互いを引き立てることも考えた。
Q:インテリアファブリックやインテリアデザインからの引用も多く見られました。南米や北欧のモチーフが多く見受けられたようですが?
A:そうだね。カーペットやラグのパターンはカリビアンやネイティブインディアンなどから、北欧のインテリアや南米の織物などのネイティブなパターンも多く使っている、このドレスはアフガニスタンや東ヨーロッパの民族衣装のモチーフをミックスしている。ルーマニアのペザントドレスやベトナムの少数民族の衣装のデザインにも影響をうけている。ミリタリーのレザ—ジャケットやボンバージャケット、ピーコートなどはこのブランドの重要なキーアイテムだけど、今回はナバホ族のカーペットパターンを組み合わせた。キルティングピースはエスキモーのスピリチュアルな要素を取り入れている。このニットはノルウェーっぽいよね。
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Q:ヒッピーテイストのアイテムも気になりました。
A:デニムに施した刺繍はシリアやパレスチナの民族衣装からのパターン。レザーのステッチやスタッズはネイティブ・アメリカンやメキシコのアルチザンのテクニックを使用し、バッグやシューズ、アクセサリーにもフリンジやバックルなど民族衣装からの引用は数多く使っている。
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Q:使っているファブリックはそれぞれの国のオリジナルの素材?
A:必ずしもオリジナルではないけれど、このペルーの伝統的なモチーフを使ったニットはアルパカだね。シリアやパキスタンの刺繍のモチーフを、コットンキャンバスやスウェード、デニム、シャンブレーなどの素材に装飾することで、新しいイメージを与えることを考えた。
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Q:ハイテク素材は使っていますか?
A:ファブリックは基本的に、デニムやシャンブレーといった昔からある素材が中心。ナバホ柄のブランケットやイカットジャカードなど特別なファブリックを使っている。いずれにしても今シーズンはナチュラルな素材が多く、テクニカルな素材を意識したとは言えないだろうね。
Q:昨秋冬シーズンは“アーバン忍者”がテーマで、日本の武道の衣装の影響が見られましたが、今回、日本のモチーフはあまり使用されていなかったようですね?
A:そう言われればそうだね。今回のショーで日本とのコラボは『もののけ姫』だよ(笑)。
始まる前から会場内に日本語の台詞のようなものが流れ、オープニングは『もののけ姫』のサウンドトラック。不思議な空気感のなかでスタートしたショーは、ウィメンズのメインコレクションも同時に発表されたせいか、シーズンを代表するネイティブパターンと共に新しいディーゼル ブラック ゴールドの世界を描き出した。フィナーレの曲は南アフリカから誕生した新しいハウスサウンドのゴム(Gqom)。『もののけ姫』に始まりゴムで終わった大航海は、エスニックという新しいスパイスが効いて、アンドレアスの表情も幾分上気したように見えた。
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Text: Tatsuya Noda