女性の強さと柔らかさを表現した、マルケス・アルメイダの西部劇【2018春夏ウィメンズ】

2017.09.22

9月18日、マルケス・アルメイダ(Marques’ Almeida)が2018年春夏コレクションを発表した。2015年 LVMHのヤング・ファッションデザイナー部門を受賞した同ブランドは、マルタ・マルケス(Marta Marques)とパウロ・アルメイダ(Paulo Almeida)の男女デュオがデザインを手掛ける。ポルトガル出身の二人は揃ってセントラル・セント・マーチンズでデザインを学び、2011年秋冬のファーストコレクションオープニングセレモニーOPENING CEREMONY)や東京のデスペラード(DESPERADO)といったセレクトショップで取り扱われ、デビュー直後から注目を集めた。公私を共にする二人は、半年前に第一子目となる娘を授かったばかりで、今季のコレクションは“女性の強さ”をテーマに掲げた。

会場は、イースト・ロンドンにある普段は立ち入り禁止の高架下。約50メートルにも及ぶ長いランウェイは、カントリー・ミュージックの第一人者として知られているアメリカ人歌手ドリー・パートン(Dolly Parton)の曲とともにスタート。音楽と見事にマッチする、ウエスタン調のルックが今季の要。ハラコ素材の牛柄のパンツアウターブーツ、クラシックなウエスタンブーツやボロタイでマルケス・アルメイダ流の西部劇が繰り広げられた。シグネチャーであるデニムは、オーバーサイズのワークウェアやサイドにスリットやホールを加えたチャイナドレス風のワンピースとして登場。農夫や体労働者のワークウェアが解体され、肌の露出やシルエット、フェザーの装飾など、女性独特の柔らかさも表現しようと試みたようだ。オリエンタルな龍のプリント、フランス生まれのジャガード織など他国のエッセンスも混合する。

「強く生きる、世界中の女性からインスパイアされた」とショー後にバックステージで二人は説明した。「肉体的な強さだけはなく、挑発的なセクシーさや寛容な柔軟性も兼ね備えているのが、当の女性の強さ」だと語る。コレクションの力強さもさることながら、時折笑顔で向かい合いながらインタビューに答える姿に、より一層の二人の絆の強さが印象に残った。
ELIE INOUE
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