画家のモーリス・ユトリロ(Maurice Utrillo)は1883年12月26日生まれ。フランス・パリ出身。1955年11月5日逝去。
ドガやルノワールのモデルを務めたこともある、画家シュザンヌ・ヴァラドンの私生児として誕生。しかし、自身の制作へと没頭する母から愛情を注がれることはなく、その寂しさからユトリロはアルコールへと逃避。20歳になる頃には酒でのトラブルから、精神病院への入退院を繰り返していた。
しかし、医師の勧めで絵を描くようになると、やがて風景画家アルフォンス・キゼと知り合い、本格的に画家としての道を歩き始める。その作品の多くは生まれ育ったモンマルトルから広がるパリの風景を収めたもので、パリの街並を撮影した絵はがきを元に描き起こした作品も数多く存在している。09年に入ると、その作品には白が多く用いられるようになり、後に“白の時代として”高く評価された。
その後は色彩豊かな作品を描いていた時期もあったが、35年にベルギーの銀行家の未亡人、リュシー・ポーウェルと結婚。晩年は彼女とともに穏やかな日々を過ごした。