『パフューム・ある人殺しの物語』ご覧になりましたか?いえ、あの編集部のエビゾーが好きな3人組アイドルとは関係なくて、2007年公開の映画です。孤児として育った天才調香師が、究極の香水を作り出すために人殺しを重ね……というドキドキのストーリー。日本公開時に“「例のシーン”(詳細はググってみてね!)ばかり有名になってしまいましたが、ストーリー自体が非常に面白く役者さんも素晴らしいので、ぜひ観てみてほしいところ。
あまりに面白かったので原作の『香水・ある人殺しの物語』(訳:池内紀/発売:文藝春秋)も読んでみたのですが、「匂いを支配する者は、人の心を支配する。」
というフレーズが印象的でした。香りは人間が捉えているよりも重要なもので、無意識下に働きかけてその人の印象と結びついてしまうのです。つまり、香りを使いこなせば、洗練された紳士にも、ワイルドな冒険家にも、ちょっと危険な男にもなれちゃうということ。「自分の一本」を決めておくのもいいけれど、TPOに合わせて使い分けるというのも非常にスマートですね。というわけで、今回はメンズ編をお届けします。
まずは「イッセイ・ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」の「ロードゥイッセイプールオムサマー・オードトワレ」。キウイ模様のボトルに、グレープフルーツやパイナップルなど夏らしいフルーツの香りが詰まっています。ジューシーでフレッシュ、南国の風に吹かれているような解放感ある香りです。女の子っぽくハジけてしまいそうなところをウッドが引き締めるので、大人の男性にもぴったり。ライチやパッションフルーツが甘酸っぱく香るウィメンズもあります。こちらのボトルにはドラゴンフルーツが描かれており、男女ともに夏らしさ満点です。
日本フレグランス大賞を受賞した「ライジングウエーブ(RISING WAVE)」シリーズの最新作「クルーズ」ラインもおすすめ。その名の通り「旅」がテーマになっており、陸、海、空をイメージした3種が用意されてます。デニムのポケットになじむスキットル型ボトルというのも、物語性があって良いですねぇ。ジュラルミン製スーツケースを思わせるシルバーボトルの「ラディアントスカイ」は、ミントやユズで始まる爽快感のある香り。革巻きの「サファリブレイブ」は、3種の中で最もワイルド。グレープフルーツで爽やかなトップにジャスミンやトンカビーンが加わり、徐々に甘みを帯びていきます。見るからに涼しげな水色の「オーシャンブリーズ」は、ライムやレモンから広がるマリンノート。どれも日本人男性のために開発されただけあって、オフィスにもオッケーな爽やかさです。
カリブ海セーリングの思い出から誕生した、「クリード(CREED)」の「オードパルファム・ヴァージンアイランドウォーター」も「旅」系フレグランスです。シトラス調にココナッツの甘みが加わり、バカンス気分が味わえます。なかなか旅なんて行けないなぁ、という企業戦士の方も、香りの旅に出られてはいかがでしょう。
「モンブラン(MONTBLANC)」の「レジェンド・スペシャルエディションオードトワレ」は、「レジェンド」の香りにペッパーやジンジャーをプラス。ちょっぴりスパイシーな大人の男の香りです。個人的にはこういう香りが似合う殿方とお付き合いしたい(笑)。インクボトルをイメージしたボトルはブルーブラックのグラデーションに彩られており、たまらなくクールです。
さて、次回はウィメンズ編。今回ご紹介したフレグランスが似合う男たちにふさわしいレディーになるべく、イチオシ香水を探求したいと思います。