ミュージシャンのイアン・ウォーレス(Ian Wallace)は1946年9月29日生まれ。イングランド・グレーター・マンチェスター・ベリー出身。2007年2月22日逝去。
子供の頃からロックが好きで、学生時代にはスクールバンドで活躍。64年から68年まではバンド「ウォーリアーズ」で活動しており、解散後はデンマークに移住。バンド「ビッグサウンド」を経てセッションミュージシャンとなり、数々のアーティストによるライブでドラマーを務めた。
70年にウォーレスはロックバンド「キング・クリムゾン(King Crimson)」のオーディションに参加する。すると、ドラムの腕がリーダーのロバート・フリップ(Robert Fripp)に認められ、バンドのメンバーに加入。71年にはフォースアルバム『アイランズ』を発表している。
しかし、この頃のキング・クリムゾンでは、音楽性の違いによるメンバー間の不仲が深刻になっていた。結局、72年にフィリップ以外のメンバーがバンドを脱退。ウォーレスは彼らと共に新バンド「スネイプ」を結成。ブリティッシュ・ブルースの父と名高いアレクシス・コーナー(Alexis Korner)をメンバーに迎え、アルバム『アクシデンタリー・ボーン・イン・ニュー・オーリンズ』を発表している。
その後、スネイプを脱退したウォーレスは、再びセッションミュージシャンとして活動するようになる。ライブではピーター・フランプトン(Peter Frampton)やボブ・ディラン(Bob Dylan)などと共演し、他にも様々なアーティストのレコーディングに参加した。その一方で、03年には「21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド」に加入し、05年には「クリムゾン・ジャズ・トリオ」を結成。再び音楽の表舞台に立つようになるが、06年に食道ガンが発覚。翌年に60歳の若さで死去した。