報道写真家の巨匠サルガドが捧げる、地球へのラブレター【NADiffオススメBOOK】

2015.07.30

各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフNADiff)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)です。

■『GENESIS』セバスチャン・サルガド(Sebastiao Salgado)

世界的な報道写真家であり、大自然の保全や復元に尽力する環境活動家としても知られる巨匠、セバスチャン・サルガド。書は、これまで常に人間を捉え、戦争、難民、虐殺、人間の弱さなど深い闇と向き合い、捉え、発表してきたサルガドが、その作風を変え、04年から取り組んできたプロジェクト「GENESIS(起源)」の活動記録を綴った写真集だ。

同プロジェクトは今も地球上に残る、“ありのままの地球の姿”を残したガラパゴスやアラスカ、サハラ砂漠、熱帯雨林などを自らの足で何度も赴き、そこにある手つかずの美しい自然や、そこに暮らす現代社会から離れた人々の原始的な生活を写しだすことにより、現代が抱える地球環境問題や人間社会との繋がり方を再び考えさせてくれるプロジェクトとなった。

「『GENESIS』は、私からの地球への“ラブレター”なのです」とサルガドは言う。人間の深い闇を見つめ続けてきた写真家・サルガドの希望への祈り。ページを捲るたびに伝わる深い祈りを感じられる1冊となっている。

8月1日からは、Bunkamura ル・シネマにて『セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター』が上映される。数々の傑作ドキュメンタリーを世に送り出してきたヴィム・ヴェンダース監督が、サルガドの長男、映画作家のジュリアーノ・リベイロ・サルガドの協力を得て、家族を愛するひとりの男の波乱に満ちた足跡を解き明かしていく。

書籍情報】
『GENESIS』
出版社:タッシェン
言語:英語
ハードカバー/520ページ/243mmx355mm
発刊:2013年
価格:1万1,880円(税込)
NADiff
  • 『GENESIS』セバスチャン・サルガド
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