ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)が3月6日、パリで2017-18年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。
今シーズンのステラ マッカートニーは、シグネチャーである“ステラクラシック”を探る旅路へと向かう。より明確でエフォートレスな方法によって、マスキュリンな装いに隠されたフェミニティーに思いを馳せる。そこには、ステラが愛する乗馬のエッセンスと、英国の歴史を感じさせるトラディショナルなディテールが溢れていた。
乗馬のスタイルにインスパイアされたアイデアは、強調された肩のライン、手が隠れるほど長く引き伸ばした膨らみのある袖、スリムシェイプのトルソーに見て取れる。英国紳士を象徴するフォーマルな千鳥格子のダブルブレストジャケットやトレンチコート、チェスターコートなどは曲線が強調されたモダンなシルエットに生まれ変わり、クラシカルな雰囲気を纏った現代のハンサムウーマンが体現されている。全身を覆うハニー、サンド、ハバナ、ビスケット、グレーなどの柔らかいカラーパレットの中で存在感を放ったのは、18世紀の英国人画家ジョージ・スタッブスの名画「ライオンに怯える馬(Horse Frightened by a Lion)」を全面にプリントしたシルクのドレスやセットアップ。その鮮やかな色彩からは力強い英国の伝統や美しさが感じられた。
一貫した英国調のテイラリングの中には、ユニークな第二のラペルや円すい形の立体的なブラカップなど、プリコラージュのような遊びも取り入れられている。さらに、太めのプリーツが施されたオーガンザや花刺繍のシアーなチュールドレスなどのセンシュアルなルック、実用的なオーガニックローデニムやジャンプスーツ、キルティングのナイロンコートなども登場した。
一見すると散らばったかのようにも思える個々のエレメンツが、つま先をカットしたメタルトゥキャップシューズやポンプアップスニーカー、ナッパ風素材のグローブバッグなど、ミニマルで硬派なアイテムが組み合わさることにより、リラックスしたステラらしいスタイルへと変化しているのは不思議な感覚だ。