「2013年(第31回)毎日ファッション大賞」の大賞に、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」デザイナーの高橋盾が選ばれた。高橋は1997年に新人賞・資生堂奨励賞を、2001年に大賞を受賞しており、今回で2度目の大賞受賞。複数回の大賞受賞は川久保玲、三宅一生、山本耀司に続く4人目となった。
また、新人賞・資生堂奨励賞は「ファセッタズム(FACETASM)」デザイナーの落合宏理、ファッション界に功績を残した人に贈られる鯨岡阿美子賞はパリコレクションなど世界のコレクションを撮影し、日本のファッションフォトグラファーの地位向上に貢献した写真家・大石一男と、ファッション通信のプロデューサーやWWD編集長を務めた故・山室一幸がそれぞれ受賞。話題賞は東レ「シルック50周年」、特別賞は「バオバオ・イッセイミヤケ(BAO BAO ISSEY MIYAKE)」と文化・ファッションテキスタイル研究所所長の宮本英治に決まった。
大賞を受賞した高橋氏は表彰式で「パリコレクションから10年、東京コレクションから20年、アンダーカバーブランドを始めて25年という節目の年にこのような賞を頂き光栄に思っている。これからも自分にしかできないクリエーションを世界に向けて発信していきたい」と挨拶。落合氏は「世界で戦えるブランドになれるようにがんばりたい」と語った。
大石氏は「80年代初めには人種差別や嫌がらせも受けたが、2010年の自分にとって最後のパリコレクションとなったショーでは、世界中のカメラマンがカメラ席の真ん中を開けてくれて涙が出た。鯨岡阿美子賞を受けることができ、続けてきて良かったと思っている」、代理出席した山室氏の妻・恵美子さんは「人生の最後を締めくくるような賞を頂き、感謝している」と話した。
また、バオバオ・イッセイミヤケのデザイナー松村光氏は「1人でも多くの人に使ってもらえるプロダクトを目指したい」と話し、宮本氏は「(受賞は)テキスタイルの教育と研究を通じてファッションが元気になれるように力を出せ、という激励だと思っている」と喜びを語った。