2010年の9月にリニューアルして5年。銀座三越の化粧品の売り上げは当時の売り上げ目標50億円から大きく上回り、昨年度は89億円にまで成長した。さらに9月16日にオープンするリモデルでも、同店の化粧品フロアは大きく変貌を遂げる。その背景には何があり、どのような理由があるのか? 三越伊勢丹の化粧品バイヤー、佐藤希奈佳さんに話を聞いた。
「まずは、売り上げが大きく伸びたことで、売場スペースなどの環境上の問題を改善する必要にあったこと。また、お客様に満足だと感じて頂くためには、ブランドのラインナップを見直す必要があると考えました。品揃えの豊かさはもちろんのこと、銀座店に行けば常に新しさを感じられるコスメフロアにできるよう、注力しました」。
では、銀座三越にとっての新しさとは、どのようなものであるのか。それは「グローバルの視点で日本を見ると、日本=銀座であり、日本の中心であるという捉え方」が鍵だと言う。確かに、多くの海外旅行者にとっても銀座は東京を代表する街だ。
「コンセプトは“ジャパンを世界に発信していく、ビューティー・トータル・ショップ”です。銀座ならではの魅力を内包しながら、“this is japan”の考え方も含んでいます。その上で、美しさを追求し続ける30代から40代を中心とした女性に“自分史上最高の美しさ”を提供し得るショップを目指しました」。
その具体的な変化、銀座三越の考える新しさについては、「コスメフロアであるB1(地下1階)は、これまで化粧品とアクセサリーで構成していましたが、今回物販はコスメに集約。“ジャパンビューティー”を大きく打ち出します。日本の誇る、日本を意識したブランドを紹介しています。その大きく拡大したコスメフロアには、“ジャパンビューティーセレクトゾーン”を設けているのが特徴。ジャパンブランドの中からとりわけトレンド性の高いメイクアップブランドを集約して展示し、さらにヘアケアアイテムや家電などもラインナップしています。また、注目度の高いBURBERRY(バーバリー)やNARS(ナーズ)を導入した“グローバルメイク”のゾーン、JILL STUART(ジル・スチュアート)の三越伊勢丹首都圏初出店など、感度の高い方々の美を意識しました」と佐藤バイヤー。
今回のリニューアルに伴い、地下鉄からの入り口となる地階は「香りでお出迎え」をコンセプトに、従来の売り場スペースから倍増したフレグランスのコーナーを設置。最旬のグローバルなビューティ情報を発信する季刊誌も刊行予定で、新たな歴史を刻む銀座三越の化粧品売場は、情報とモノが交差する最新の売り場を目指す。