伊勢丹新宿店本館4階のウエストパークに「エタブル オブ メニー オーダーズ(Eatable of Many Orders、以下エタブル)」の期間限定ショップがオープン中だ。会期は8月25日まで。
「エタブル」とは「食べられる」という意味。宮沢賢治の『注文の多い料理店』にあやかって、「注文の多いエタブル」と名付けたという。命名意図は、商品の原材料を食べ物の品質表示のように消費者に伝えたいから。一つひとつの素材、染色工程、革のなめし方法など、商品からその背景まで伝えていくことをコンセプトとしている。
今回の期間限定ショップでは、彫刻家・三沢憲司とのコラボレーションによる店内装飾が楽しめる。エタブルデザイナーの新居幸治と三沢は共に熱海在住で、かつてエタブルが三沢のアトリエで商品を出店したことがきっかけで今回のコラボレーションに至ったという。
エタブルの今季のテーマは「羊のなる木(VEGETABLE LAMB)」。中央アジアから伝来した綿を初めて見た中世のヨーロッパ人が、その羊の毛のような見た目から、“羊が果実のように生える木”が存在すると考えたという言い伝えを独自に解釈して、ニードルパンチを施すことでウールが生えたように加工したコットン、コットンが咲いているかのようにデザインしたウールなどを使ったコレクションを完成させた。
店頭に並ぶ「ハートブラウス」(ウール3万9,000円、コットン2万9,000円)などの綿や羊毛の魅力を最大限に引き出したアイテムは、三沢の作る温かみある彫刻作品と好相性。お互いの良さを高めあい、フロア一角に独特の空間を作り出している。
会期中、鞄パターンオーダー会も開催。サンプルデザインからバッグを選び、カラーオーダーを受け付ける。希望者にはイニシャル1文字をハンド刺繍で入れてくれる。