資生堂は12月21日、銀座ビル3階花椿ホールにて、写真展「7人のヘア・メーキャップアーティストと、TOKYOファッション展。」をスタートした。25日まで。12月1日から開催している資生堂のクリスマスイベント「メリーメリーメーキャップ(Merry Merry Makeup!)」の一環。
資生堂ビューティークリエーション研究センター所属のヘア・メーキャップアーティスト西島悦、岡元美也子、計良宏文、原田忠、鎌田由美子、大久保紀子、鈴木節子の7人と、「毎日ファッション大賞」の「新人賞・資生堂奨励賞」を受賞した経験を持つ7ブランド「ネ・ネット(Ne-net)」「ソマルタ(SOMARTA)」「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「ドレスキャンプ(DRESSCAMP)」「トーガ(TOGA)」「アグリ・サギモリ(AGURI SAGIMORI)」「タロウ・ホリウチ(TARO HORIUCHI)」がコラボレーションし、創作写真21点を制作した。組むブランドはアーティストがセレクトしたという。
会場にはアーティストごとの作品パネルが並ぶ。創作写真に加え、メイキング映像や使用した洋服も展示される。7人中2人だけの男性アーティストである計良と原田はクリスマスらしいヴィヴィッドな赤のビジュアルを発表した。
計良はネ・ネットで作品を制作。09SSのボリューミーなドレスを用い、ヘアも服に負けない量感を出した。可愛らしいイメージの同ブランドだが、創作写真からはそこはかとない不気味さを滲ます。「以前から興味があったブランド。僕の想像の中のネ・ネットというか、ブランドの裏面に潜むシュールさを描いたと思う。ネ・ネットには時々お化けが出てきたりと不思議な部分がある。実はネ・ネットとお仕事するのは初めてで、デザイナーの高島一精さんとは面識がない。その分自由にやれた部分があるかも。スタイリストから可愛くつくってもらえて嬉しいと高島さんからのメッセージをもらった」と計良氏。会場に高島も顔を見せていたが、惜しくもニアミスで終わったようだ。
原田は同会場のこけら落としを漫画『ジョジョの奇妙な冒険』モチーフの写真展で飾った人物。今回はアグリ・サギモリを選び、赤・白・緑の色調やヒイラギの葉が一貫して用いられるなどクリスマスらしい作品に仕上がっている。
「クリスマスということでサンタクロース、赤ずきん、トナカイ、リースなどが思い浮かんだ」と始めた原田氏。もちろんジョジョも忘れない。「第7部スティール・ボール・ランのシュガー・マウンテンもモチーフの一つ(笑)」。どれもイメージ源がはっきりとしたインパクトのあるビジュアルが完成した。アグリ・サギモリは以前作品撮りで使用したことがあるという。
「アンチノミー(二律背反)=全く逆のもの同士が主張して存在し合うというブランドコンセプトに共感していた。ということで今回はこちらも全開でぶつけてみた(笑)。服とヘアメイクが主張し合ったらどうなるんだろうというアプローチ。迎合せず、戦った。普段はデッサンを描くが、今回はとにかくクリスマスらしい飾りを集めて現場でデザインした感じ。ライブ感があってノリの良い制作だった」と原田氏。次なるジョジョ作品も仕込んでいるという。
22日14・17時には同ビルにて今年新人賞・資生堂奨励賞を受賞した「ファセッタズム(FACETASM)」のランウエイショーが開催される。ヘア・メークは計良と岡元が担当する。