NYのFIT美術館に協力を仰ぎ、アイビーファッションをフィーチャーしたイベント「THE IVY STYLE EXHIBITION BY F.I.T」が30日、伊勢丹新宿店7階催物場でスタートした。会期は11月4日まで。
同イベントでは、アイビーファッションのアーカイブの展示を軸に、アイビーに縁のあるブランドのエクスクルーシブモデルの販売やトランクショー、トークセッションを行う。
メイン会場となる7階催物場では、「ブルックス ブラザーズ(Brooks Brothers)」や「リーガル(REGAL)」といったアイビーのアイコン的ブランドはもちろん、ファッションシーンをにぎわしている新進ブランドも多数登場している。中でも来場者の注目を集めていたのは「アレキサンダー・オルチ(ALEXANDER OLCH)」と「トム・ブラウン(THOM BROWNE)」のディフュージョンライン「トム・グレイ(THOM GREY)」。いずれも秋の立ち上がりから品薄の状態が続いているブランドだ。
トム・グレイはトム・ブラウンならではのコンパクトなサイジングやストイックな色使い、さり気ないアクセントは据え置きで、手に入りやすいプライスレンジで展開しているのが特徴。
ニューヨーク発のネクタイブランド、アレキサンダー・オルチは定番のタイやチーフのほか、ブラックウォッチで染めたサスペンダー、ボウタイ、タイ、チーフ、メモカバーの5アイテムを木箱でラッピングしたイセタンメンズ限定セット(7万3,500円)を用意。オルチ本人がコーディネイト指南をしてくれるトランクショーやシャツのパターンオーダー会も開催する。
アメリカ三大スーツファクトリーに数えられる「マーティン・グリーンフィールド(Martin Greenfield)」もブースを出展。オバマ一、歴代大統領のスーツを手掛ける一方、10月に初の路面店をオープンした「バンド オブ アウトサイダーズ(BAND OF OUTSIDERS)」など気鋭のブランドの生産も一手に引き受ける同社はクラシックモダンなモノづくりに定評がある。「ナチュラルショルダーやボックス型のシルエットといったアイビースタイルをベースとしつつ、短めの着丈、気持ちシェイプさせたウエストでアップデートしているのが特徴」とマスターテーラーのスティーブ・フェリグ氏は語る。
会場奥には、ニューヨークのライフスタイルストア「フリーマンズ スポーティング クラブ 東京」のカフェコーナーも。キャラメルシフォンケーキ(630円)とアップルジンジャースカッシュ(1,050円)が人気だという。自家製のジンジャーウォーターとレモンシロップで仕上げたスカッシュもすっきりとした甘さ。
また今展の目玉企画として、ニューヨークのファッション工科大学が運営するFIT美術館所蔵のアーカイブ展も。アーカイブは戦時中のスーツやフォーマルウエア、東部8大学のブレザー、カジュアルウエアなど14体に上る。「アイビーはタイムレスでエイジレスなスタイル。ミュージアム以外で、しかも国外でアーカイブをお披露目するのは初めてのことだが、アメリカが誇るこのウエアに改めてスポットを当ててくれたのが日本だった」と来日中のF.I.T.美術館副館長のパトリシア・ミアーズ氏。
会場には開店と同時にトラッドな服に身を包んだ老若男女が押し寄せた。